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魔女に乾杯!
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第十七話

             第十七話 紫の魔女再び
 華奈子達は今日も塾に行っていた。先生を待つ暫しの間であった。
「ん!?」
 空けている窓から何かが入って来た。一枚の紙飛行機であった。
「紙飛行機!?」
「何だろ」
 着地したそれを開く。するとそこには紫の字でこう書かれていた。
『お久し振り。元気にしていたかしら』
「お久し振りって」
 華奈子達はそれを聞いておおよその予想がついた。
「まさか」
 そう思いながらも読み続ける。
『また貴方達と勝負したいと思っているのだけれど。明日の夜いいかしら』
「明日の夜」
 それを見て疑惑はさらに深まった。
『こちらもとっておきの切り札を用意しておくから。楽しみに待っていてね』
 そして最後にこう書かれていた。
『紫の魔女より』
「紫の魔女」
 それを見た五人の顔が一変した。
「あいつ、また出て来たのね」
「今度は何を考えているのかしら」
 華奈子達は顔を見合わせてそう話をはじめた。
「またうちの学校の旗を狙っているんじゃないかしら」
 春奈がそう言う。
「いえ、それはないと思うわ」
 しかしそれは梨花によって否定された。
「どうして?」
「ほら、こうした話にはよくあるじゃない」
「よくあること」
「ええ。怪盗ってのはね、一度盗むのに失敗したら次は狙わないものなのよ」
「そういうものなの」
「ええ。だから今回は違うと思うわ」
「じゃあ何かしら」
 美樹が尋ねてきた。
「多分私達への直接の挑戦状よ」
「私達に」
「ええ。だから切り札を用意しているなんて言うのよ」
「そうなの」
「問題はその切り札が何かね」
 今度は赤音が言った。
「一体何を用意しているやら」
「そこまではわからないけれど」
 梨花は考えながらそれに答えた。
「きっととんでもないのを用意していると思うわ。紫の魔女だから」
「そうだね」
 華奈子がそれに頷く。
「また皆で力を合わせて戦おう。そうじゃないとあいつには勝てない」
「そうね」
 梨花だけではなかった。他の三人もそれに頷く。
「明日の夜、いいわね」
「ええ」
「行きましょう」
 こうして彼女達はまた紫の魔女と激突することになった。その日は大人しく授業を受け次の日の戦いに備えるのであった。


第十七話   完

                2005・6・16



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