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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#21
戦慄の暗殺者Z 〜Emerald Explosion〜
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【1】

「エメラルド・スプラッシュッッ!!」
 封絶の放つ白い光で幻想的に照らされた校内に響く、
清廉なる美男子の声。
 その声の主、花京院 典明の「幽波紋(スタンド)
法 皇 の 緑(ハイエロファント・グリーン)』 の両掌から(とうとう)々と流れ落ちた
緑色の液体が瞬時に(うね)って集束、煌めく無数の翡翠結晶へと変貌し、
スタンドの手から発せられる眩い輝きを以て一斉に弾ける。
 無より生み出された輝く翡翠の魔連弾は即座に空間を隈無く疾走し、
襲いかかってきた巨大な武装燐子達の全身に隈無く着弾して爆散させ、
瞬く間に貫殺した。
 紅世の法儀に支配された因果孤立空間。
 学園中央部に設置された時計台の針が静止した世界。
 まるで全ての時間が止まってしまったかのような無音の静寂。
 その中で、細身の躰にフィットしたバレルコートのような学生服に身を包む
中性的な美男子と異形の怪物達との死闘が絶え間なく繰り広げられていた。
「先刻の大爆発。どうやら戦局に大きな動きが在ったようだ。だがッ!」
 ギャギィィィィィィィッッ!!
 華麗な体術で横っ飛びに中空を舞った花京院の、
その1秒前までいた場所に機能性を欠いた大仰な造りの武器、
剣や槍や斧などが多数突き立てられリノリウムの床を打砕する。
「この人形達、そしてこの特殊空間を生み出す能力 “封絶” が
「解除」 されてない(ところ)を見るとまだ決着はついてないようだな」
 側方に一回転し、手をついて着地した花京院の傍らで
スタンド、ハイエロファント・グリーンが流法 『エメラルド・スプラッシュ』 を
すかさず連続発射し、前方の巨大燐子3体を爆砕、存在の闇へと葬り去る。
 リノリウムの上に舞い散る白い火花が消えると同時に、訪れる沈黙。
 次の刹那、その中性的な美貌が微かに翳った。
「空条、キミは、無事でいるのか……?」
 脳裏に浮びあがる、熟練の 『スタンド使い』 で在る自分を圧倒した、
勇壮且つ精悍な姿。
 そこへ。
(!?)
 突然何故か、一人の少女の姿が重なる。
 真紅の瞳、深紅の髪、マントのような黒寂びたコート。
 その少女は、その彼の傍らで挑発的な仕草のままこちらに笑みを向けていた。
 想像の中とはいえ、完全に勝ち誇った表情で。
(!!)
 その事に何故か無性にカチンッときた花京院は一瞬思考が止まるが、
すぐに己を律して落ち着きを取り戻す。
 体温上昇による発汗作用で、ライムオイルを基調にした
爽やかなフレグランスが一際強く空間に靡いた。
「あと “マジシャンズ” も、一応」
 シャナ、だっけ? と頭の中で付け加え、額に少々青筋を浮かべ、
若干苛立った口調で美男子は呟いた。
 そんな彼の気が休まる暇もなく
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