第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#21
戦慄の暗殺者Z 〜Emerald Explosion〜
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項する正にその名の如く流れるように完璧な
『高 等 幽 波 紋 連 携 技』
全ては、スタンドの遠隔操作能力にかけて他の追随を赦さない
花京院 典明の才能によるモノ。
然る後、全ての燐子が聖光の冥府に呑みこまれ
残酷無惨な亡骸が大量の火花を伴って体育館全域に散乱し、
更に夥しい量の結晶爆裂弾連続射出の結果として
巨大な弾痕の空洞が開け廃墟と化した建物の中心部。
その細身の躰を斜めに傾け、せめてもの情けか
燐子達の断末魔から視線を背けた美男子の姿が
後屈立ちの構えでエメラルドのシルエットから
華麗に浮かびあがる。
巨大な弾痕から流れてきた風が、淡い茶色の頭髪を揺らした。
その残骸の中心で、“彼” が使役する結界の中で、
花京院は静かに 「決意」 を告げる。
(フリアグネ……ボクは……君とは一緒に行けない……
彼と共に……DIOを斃さなければならないから……
もう……そう決めたから……)
滔々と沁み出る胸裏に、かつて一時、
戯れに想い浮かんだ映 像が過った。
DIOの館、瀟洒なヴァルコニー、風に揺れるシルクのカーテン。
麗らかな太陽の光と、海から吹き抜ける風が絡み合った清涼な大気。
その中で、“彼ら” と共に語らう自分の姿が。
その時の自分は、果たして笑っていたのだろうか?
きっと、笑っていたのだと想う。
全ては、泡沫の夢、消え去る寸前の、存在の飛沫。
今はもう、あまりにも遠くなってしまった、幻想の追憶なのだから。
花京院は琥珀色の瞳を静かに閉じ、
哀悼を捧げるように呟いた。
(でも……君の気持ちは……嬉しかった……
それだけは……嘘じゃない……)
空洞から封絶の放つ白い光が満ち、
渇いた風があらゆる方向から吹き抜けて
花京院の髪を揺らし、躰を撫で、制服の裾を靡かせる。
その、運命の交叉路の中心で、輝く純白いの旋風の中で。
「Au revoir……
壮麗なる紅世の白炎……
“狩人” ……フリアグネ……」
花京院は、静かに別れの言葉を告げた。
その彼の心中で、耽美的な微笑を浮かべる幻想世界の住人は、
純白の長衣を纏ったまま嫋やかに微笑んでいた。
手にしたマリアンヌと共に。
いつまでも。
いつまでも……
←To Be Continued……
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