第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#21
戦慄の暗殺者Z 〜Emerald Explosion〜
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いきなり調理室と美術室、
その両開きのドアが一斉に開き中から再び大小様々な形態の
フィギュアとマネキンとマスコットが大挙して押し寄せた。
「クッ! まだこんなに数が! これじゃあキリがない!」
一階部分の敵はこれで最後だと想いたいが、
先刻からロクにインターバルもなしで流法を撃ち続けているので
スタンドパワーの残量はそろそろ半分を切る。
故に、ペース配分の事もこれからは考えながら戦わなければならない。
そんな押し迫った状況の花京院とは裏腹に、
眼前の武装燐子達は件の如ガラス玉の瞳と耳まで裂けた口とで
血に飢えた獣のように花京院を見据えていた。
この動く人形 “燐子” は、 「存在の力」 という
人間の生命エネルギーに酷似した力で動き、
さらに存在のみを喰らう 「能力」 が在ると
かつて館の書庫でフリアグネから聞いた事がある。
そして今、 この特殊空間の中で仮死状態のように静止している
他の生徒や教師達を無視して、自分のみを 「標的」 として攻撃を仕掛けきているのは、
停止している生徒達よりもその中で動き回っている自分の方が
旨そうに見えるからなのか? 或いは “動く者を優先的に攻撃しろ” と
遠隔操作されているからなのかもしれない。
物質の遠隔操作能力は、自分の最も得意とする処。
故に、自分が出来るコトならフリアグネにも出来る。
自分と同じ 「領域」 にフリアグネもいる。
かつて彼の言ったとおり。
まるで合わせ鏡の如く、自分と酷似した存在。
だから――
「クッ!!」
花京院は唐突に脳裏へ浮かんだ、
花々の香気に包まれる美男子の姿を無理矢理消し飛ばした。
(ボクとしたことがこんなときに……うかつな……ッ!)
両目をきつく閉じ頭を左右に振ってから、
花京院は脇にあった開いた窓からスタンド、
ハイエロファント・グリーンの右腕を細い紐状に変化させ、
射程距離の延びたスタンドの触手をザイルのように三階に向けて投擲し、
窓枠にスタンドを括りつけた。
元々他の生き物やスタンドへの潜行、
寄生操作を目的に生み出された 「能力」 なので
巻き絡める力は細い見た目に反して強力。
そのまま触手をクレーンのように巻き戻してスタンドと共に、
「本体」 である花京院の躰はスタンド法則の影響で素早く上階へと昇っていく。
みるみる内に眼下で縮小されていく数十体の燐子に花京院は
血気の籠った声で叫ぶ。
「どうした!? このボクを喰らいたいンだろう!!
だったら早くこの上まで追ってこいッッ!!」
静謐なライトアンバーの瞳で見据えられた燐子達は一度戸惑ったように
互いの顔を見合わせたが、すぐにその位置を元に戻すと無機質なガラス玉の瞳に
白い
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