暁 〜小説投稿サイト〜
艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第十六話 三人目の妹との邂逅
[7/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
作戦の初動目的地に過ぎないの。そこに手間取って余計な犠牲を払うことになれば、それこそ今後の作戦行動に大きく影響するわ。敵を全滅させ、かつ自軍に被害が出ないようにする・・・・そんな理想的な戦闘ができると思っているの?」
「味方が損害を被っても、私以下紀伊型空母戦艦が現存していれば、劣勢は取るに足らないものになるわ。」
「あきれた・・・。たった4人で何ができるというの?」
「4人じゃないわ。3人よ。紀伊はプロトタイプだから勘定には入れないわ。」
「貴様!!」
ガタンと椅子が鳴り、怒声が響き渡った。ひときわ大きな艦娘が目をギンとさせて立ち上がり、尾張をにらんでいた。
「先ほどから聞いていれば、自分勝手な発言ばかりくりかえしおって!その偏見的な思考はまだ許せるとしても、あまっさえ味方を侮辱し、貶める発言をするとは何事か!?そればかりか、指揮官以上が出席するこの重要会議において何の権利あって貴様が入ってくるのか!?ロクに実戦経験も持たず口だけは達者な青二才が!!去れ!!それとも46センチ砲を食らいたいか!!」
「ちょっと、武蔵・・・・。」
大和が慌てて立ち上がって止めようとしたが、武蔵はその手を振り払った。顔はどす黒く土色に代わっている。
「いいわよ。こんなバカバカしい会議、こっちから願い下げよ!!」
尾張はそう言い捨てると、背を向けてドアを蹴り飛ばして出ていった。跳ね返ったドアが反動でゆっくりと閉まるまで、誰も口を開かなかった。
「長門・・・すまなかった。つい、激昂してしまった。」
武蔵が長門に頭を下げて詫びた。その言葉でようやく会議室の空気が和らいだ。
「いや、こちらこそすまなかった。言いたいことをよく言ってくれたな。」
長門はうなずいて見せた。
「議論が停滞して申し訳なかった。それでは基本方針について、何か他に質問はあるか?」
長門は皆を見まわした。
「なければ、具体的な戦術とオーダーに移ることとする―――。」


尾張は足早に廊下を歩いていた。胸の中は湧き上がる怒りで渦巻、目がくらんでいた。
「くそっ!うすらでかいばかりの燃料食い虫!!私の発言を青二才だからって封じて!!」
尾張は怒りに任せて勢いよく廊下をまがった。とたんに向こうから来た艦娘とぶつかってしまった。
「きゃっ!」
その艦娘は床にしりもちをついて、へたり込んだ。
「な!」
「もう〜なんなの〜!?」
へたり込んだ艦娘は情けない声を出した。
「何なのとは何よ?!人にぶつかっておいて!!」
「そっちがぶつかったんだよ〜・・・って、あ!」
艦娘はぱっと起き上がるとパンパンとスカートの埃を払った。
「尾張さんじゃん。何してるの?こんなところで。」
「別に、なにも!」
尾張は顔をそむけた。
「大方会議でまた変な発言して、皆に嫌われて飛び出して
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ