第6話
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〜ノルド高原〜
「凄いな……とんでもない解放感だ。」
「ええ……!まるで風になったみたい!」
「うふふ、馬を走らせる事がこんなにも気持ちよかったなんて、今まで知らなかったわ……!」
「まあ、それは俺達も同じだ。―――しかし馬術部の連中に羨ましがられそうな体験だ。」
馬を走らせているリィン達がそれぞれ雄大な高原に馬を走らせる解放感に浸っている中に呟いたレンの感想に同意したユーシスは口元に笑みを浮かべた。
「ははっ……確かに。」
「フフ……―――オレの故郷は北東に向かった先にある。日没までに何とか辿り着くとしよう。」
「ああ……!」
「行きましょう……!」
その後リィン達は分かれ道に到着した。
「分かれ道に来たけど……」
「こう広いと、方向感覚が曖昧になってくるな。」
「遭難したら洒落にならないわね。」
「ちょっ、レンったら、縁起でもない事を言わないでよ……」
「一応、目印となる地形を教えておこうか。あれが出発地点である”ゼンダー門”だ。あれは”三角岩”……この一帯の中心となっている。」
ノルド高原の広さに若干の不安を抱えているリィン達にガイウスは次々と目印となる物に視線を向けて説明した。
「すごく大きな岩山ね。」
「確かに、いい目印になってくれそうだな。」
「あら、その横に見える人工物みたいな建物は?」
それぞれが岩山に注目している中、建造物を見つけたアリサはガイウスに尋ねた。
「あれは”監視塔”……帝国軍が建てた施設だ。ノルド高原の南東、共和国方面を監視するための施設と聞いている。」
「”共和国”、ね……」
「帝国の東に位置する大国、”カルバード共和国”か。」
「クロスベル方面だけじゃなく、こちらでも繋がっているんだな。」
「ああ、そして――――あちらの山脈の方角にオレの故郷でもある集落がある。」
「なるほど……」
「えっと、地図で確認すると……」
ガイウスの説明を聞いたリィン達はそれぞれ地図を取り出して現在位置を確認した。
「うん、大体の位置関係が掴めてきたような気がするわ。」
「しばらくは地図を片手に慣れる必要がありそうだな。」
「そういえば……あっちに不思議な石柱があるわね?」
それぞれが地図に注目している中既に地図を暗記し終えたレンは周囲を見回して石柱が何本も立っている場所が気になり、ガイウスに尋ねた。
「あ、ホントだ。」
「明らかに人の手で立てられているようだが……」
「この高原には、ああいったものがあちこちに点在していてな。どうやら千年以上前にあった巨大文明の遺跡らしい。」
「巨大文明……」
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