第6話
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す。」
美味しそうに食べているリィンにトーマは説明し
「……どの品もとても美味しく頂いている。他の地方に行った班に申し訳ないくらいの味だ。」
ユーシスは満足している様子で食事をしていた。
「ふふっ、よかった。」
「……口にあって何よりだ。」
「えへへ、おかーさんのゴハン、だいにんきだねー。」
ノルドの郷土料理を美味しく食べている様子のリィン達にファトマやガイウス、リリは微笑んだ。
「長旅で疲れていたのもあるのだろう。ノルド料理は疲労に効く滋養の高いものが多いからな。」
「なるほど、確かに身体の芯から効いてくるような。」
ラカンの説明を聞いたリィンは納得した様子で頷き
「……あとでレシピを聞いてシャロンにも教えてあげようかしら。」
「あ、レンも聞いてママに教えてあげたいから、後で一緒に聞きましょう、アリサお姉さん。」
興味ありげな表情で考え込んでいるアリサにレンが提案し
「ええ、いいわよ。」
レンの提案にアリサは頷いた。
「あのあの、こちらのお茶も召し上がってくださいっ。ノルドハーブを使った消化にいいお茶でっ……」
「ふふ、ありがとう。」
「ほっとするような懐かしい味ですね……」
その後夕食を終えたリィン達はラカンからノルド高原についての説明を受けていた。
「―――このノルドの地はある意味、とても自由な場所だ。帝国人である君達には新鮮であり、不便でもあるだろう。だが、そんな場所であっても君達と関係がないわけではない。」
「士官学院を創設したドライケルス大帝……ですね。」
「”獅子戦役”においてこの地で挙兵した逸話ですか。」
ラカンの話を聞いたアリサとリィンはそれぞれノルド高原と士官学院の関係を思い出した。
「ああ、ノルドの民の間でも伝承として語り継がれている。そして戦役が終わった後、ノルドの民は、彼の継いだ帝国と長きに渡る友情を誓い合った。その善き関係が、今日に至るまで継いでいるというわけだ。」
「なるほど、ノルドの地は正確には帝国領ではない……」
「共に誓い合った隣人同士というわけですね。」
「……………」
説明を聞いていたユーシスとリィンはそれぞれが頷いている中レンは静かな表情で黙って見守っていた。
「ああ、しかし昨今、”カルバード”という東の大国が高原の南東に進出してきた。東に住む一族などは交流を深めているようだが……どうやら、それが少しばかり緊張をもたらしているようだな。」
「……帝国と共和国は昔ながらの宿敵同士ですから。」
「ここ数年、直接的な戦争こそ起きてないけど政治・経済的な対立はむしろ深まっているわね。」
「つい最近も、クロス
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