第6話
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「ふむ、帝国にも残っている精霊信仰の遺跡のようなものか。」
「うふふ……そうかもしれないわね。」
ガイウスの説明を聞いて考え込んだリィンとユーシスの言葉を聞いたレンは意味ありげな笑みを浮かべて石柱を見つめていた。
「色々興味はあるだそうが、今日は後回しだ。何とか日没までに集落に辿り着かなくてはな。」
「ああ、了解だ。」
「それじゃあ、行きましょうか。」
その後リィン達は馬を走らせて小さな集落に到着した。
〜ノルドの集落〜
「これが……」
「……ガイウスの故郷か。」
「のどかな場所で癒されるわね。」
「……不思議と郷愁に誘われるような光景だな。」
「……確かに。」
集落を見つめたリィン達はそれぞれの思いを抱えた。
「まあ、この場に定住しているわけではないが。夏から秋にかけては北へと移動するのが常だ。」
「なるほど、遊牧民だもんね。」
ガイウスの説明を聞いたアリサは納得した様子で頷いた。
「だからああいう、変わった建物なんだよな?」
「確か名称は”ゲル”だったわよね?」
「ああ、厚手の布でできた移動式の住居でな。――さて、まずはオレの実家に案内しよう。長老などには改めて紹介するとして―――」
そしてリィンとレンの質問に答えたガイウスが行動に移りかけようとしたその時
「あんちゃああああん!」
「わぁ……!」
「か、可愛いっ……!」
3人の子供がガイウスにかけより、幼い少女がガイウスに抱き付いた。
「あんちゃん!ガイウスあんちゃん!」
「ガイウスお兄ちゃん……!……おかえりなさいっ……!」
「ただいま、リリ、シーダ。トーマも、元気そうだな。」
「へへ、あんちゃんこそ。―――おかえり。ガイウスあんちゃん。」
「ああ、ただいまだ。」
ガイウスは久しぶりに会う自分の家族である弟達を優しげな微笑みを浮かべて見回した。
「はは……すごく慕われてるな。」
「ええ……一人っ子には目の毒ね。」
子供達に慕われているガイウスの様子を見たリィンとアリサは微笑ましそうに見つめたが
「うふふ、ちなみにレンは上はお兄さんが二人とお姉さんが一人、下はレンの双子の妹と末の弟の6人兄弟よ♪」
「ええっ!?そこにお父さんとお母さんも数に加えれば8人家族になるじゃない!?」
「ハハ……レンもガイウスのように賑やかな家庭で育ったんだな。」
レンの兄弟の数を知るとアリサは驚き、リィンは微笑ましそうにレンとガイウスを見比べていた。
「………………」
一方家族関係が兄以外は上手くいっていないユーシスは目を伏せて黙り込んだ。
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