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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十四話 仕掛けるよりも収集作業の方が大変なのです。
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「全艦隊に告ぎます!!」
フィオーナの声はそのまま声としてではなく、通信手がそれを文章化していくのである。彼女は司令席のコンソールを操作しながら声を発し続けていた。その声を聴いたリューネブルク准将も、そして艦橋の兵隊たちも不思議な感覚に襲われていた。
何故かは分らないが、ここにこうしてフィオーナが指揮していることが、当たり前のようなずっと前から指揮を執っていたかのような落ち着きと風格が彼女の全身に漂っていたのである。
「全艦隊に告ぎます!!速度を落とし、正面敵艦隊との距離を保ち、敵艦隊の動きに追尾しつつ艦隊を第一戦隊から順にα1456地点〜1598地点に展開してください。指示コードを送ります」
つまりは半月陣形にするのである。フィオーナの指揮の元、艦隊は半月陣形に展開し、第五艦隊と向き合う格好になった。しかもフィオーナは艦隊運動を展開しながら、正確な砲撃目標座標地点を全艦隊に伝達していた。すなわち後退する第五艦隊に向けて一点集中砲撃を浴びせかけるという離れ業もやってのけたのである。
如何に老朽艦隊と言っても、艦隊は艦隊である。司令部の命令に迅速に反応するように訓練はできている。フィオーナとしては正確に、そして解釈の間違いようのない、逡巡しようのない命令を下しておけば良かったのだから。
第五艦隊 旗艦 リオ・グランデ 艦橋――。
「敵が前進をやめ、こちらの後退に合わせるかのように陣形を再編しています!!さらに敵艦隊砲撃を開始!!こちらに向けて一点集中砲火を浴びせてきています!!」
参謀長が発した言葉にシャロンは信じられない思いでいた。あのまま前進をつづけるのが当たり前のような勢いなのだったが、まるで別人である。それどころか陣形を再編しながらの、一点集中砲火とは、現役の提督ですらなしえない技である。
あのイノシシ艦隊のどこにそんな鮮やかな技を決められる技量があったというのか?
「ほほう、これは・・・」
ビュコック提督も感心顔である。
「どうやら敵は、こちらよりも上手らしいの」
「いかがいたしましょうか?」
「うむ、そうじゃの。陣形を再編し、こちらも半月陣形を敷く。敵の攻勢を支えればいいのじゃからな」
敵の動きに対応する形か、とシャロンは思ったが、この場合は正しいだろう。下手に動けば敵の攻勢を誘い出すことになり、かえって危険だからである。
だが、フィオーナの艦隊運動はビュコックたちの予測を上回った。
「全艦隊、左に転進!!敵の正面艦隊に対し、主砲3連射!!!」
フィオーナが鮮やかに左腕を振った。敵との距離が開き、敵が後退しつつ半月陣形に再編するそのすきを見逃さなかったのである。
「いかん!!」
ビュコックは叫び、直ちに艦隊の後進をやめさ
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