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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十四話 仕掛けるよりも収集作業の方が大変なのです。
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は言いたかったが、さすがにそれは失礼だと思って言わなかった。
「進め進め進めェ!!!」
参謀長はビッテンフェルト並に猛進を指示している。もっともビッテンフェルトの方は視野狭窄に陥ることなく、戦局全体を見渡すことができる力量の持ち主であるが、この参謀長に関しては完全に視線が前へ向きっぱなしなのである。
その様子をじっと見ていたリューネブルク准将が、そっと姿を消したことを誰も知らなかった。もっとも10分ほどですぐに戻ってきたのだったが。
他方フィオーナは焦っていた。これは困ったことになったと、泣きたい思いである。下手をすれば逆撃を被って旗艦ごと吹ッ飛ぶことになるだろう。まだ死にたくはないと思うのだが、かといって参謀長をとめるすべをどうしたらいいか・・・・。
いっそまた『皇帝陛下』の力を借りるか、と思い詰めた時だった。
「司令官閣下、参謀長閣下、皆さま、一つお飲み物を――」
従卒3人が恐る恐ると言ったようにトレイに乗せた飲み物を運んできた。
「何ッ!!??こんなときに飲み物だと!!??何を言うか!!まだ戦闘中だ!!」
しかし、10時間以上も何も飲んでいないことに気が付いた一同は、トレイの上の紙コップをあわただしくとると、が〜っと流し込むようにして中の液体を口に放り込んだ。
フィオーナも取ろうとする。彼女は席次が下の方だったから、回ってきたのは遅かった。が、飲み込もうと口に手をもっていったところをとめられた。リューネブルク准将の手である。
「な、何をなさるんですか!?まさかこんなところで――」
「勘違いをせんでもらおう。こう見えても私には妻がいるのでな。違うぞ、フロイレイン・フィオーナ。貴官も正体を失って眠りこけたくはなかろう」
「???」
ドサッドサッドサッ!!!という音が続いた。
驚いて見ると、あれほど叫びまくっていた参謀長閣下以下全員が無様に床に倒れ込んで眠っているのである。グリンメルスハウゼン子爵閣下の方はというと、椅子にもたれこんで眠っていた。手に持っていた紙コップは床に落ちて液体をふりまいている。
「睡眠薬だ。こうでもしなくては、あのバカな参謀長以下をとめられないのでな。念のために司令官にもお眠りいただいた。この方が都合よかろう」
フィオーナは灰色の瞳を見開いて、半ばあきれ、半ば尊敬する眼でリューネブルク准将を見ていた。さっきの機関部のオーバーロードの工作もクレイジー極まりないと思ったが、今回のこの行為はまさに「常軌を逸している」ものである。間違いなく軍法会議ものであり、下手をすれば即刻処刑ものである。クレイジーオブクレイジーな行為に、あきれたらいいか、注意すべきか、はたまた尊敬すべきなのか、フィオーナには判断ができなかった。一つ確実に言えるのは、やはり
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