episode10
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ドを構える楓さん。 が、岩丸達のデッキから〈陰陽鏡〉なカードがひとりでに抜け出し、空中に浮遊する。 次の瞬間、二枚のカードが巨大な鏡と化し、鏡面が光り出すと二人が吸い込まれるようにして鏡の内側に取り込まれてしまった。
「え、嘘……人が鏡の中に?!」
「な、なんてことを……」
絶句する私達をよそに二人を取り込んだ鏡が消滅し、代わりに空中に別の鏡が現れ、黒い長髪に、巫女装束の女性の姿が映りこむ。
『妾が差し向けた刺客をいとも容易く倒すとは、仮にもプロデュエリストと言ったところか。 先の決闘、なかなか楽しめたぞ』
「まさか、貴女が……!」
『いかにも。 妾は、斎王美寿知。 我が兄、斎王琢磨の妹であり、先の二人に力を与えた者だ』
斎王美寿知は鏡の中で微笑むとさらに続ける。
『兄の事について知りたければ教えてやろう。 明日、今一度海馬ランドに来るといい。 そこでお主が運命を変える力を持つ者かどうか直々に見定めてやろうぞ』
「楽しみにしておるぞ」斎王美寿知はそう言い残すと鏡と共に消えてしまう。
「なんで、こんなことを……」
言いあわらせない感情が胸の中で渦巻き、空を睨みつけたまま呆然と立ち尽くしているとトンと肩に手が置かれた。
「いくら考えてみたところで狂人の考えなんてわかりっこありませんよ。 それに明日、斎王美寿知に会えば全て分かること。 なので今は余計なことに労力を割かず、体を休め明日に備えましょう」
「…………はい」
楓さんに優しい声音で諭され、小さく頷いた。 手を引かれるまま、ホテルへと帰って行った。
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