episode10
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ならノープロブレムです」
「へっ?」
私の本分はあくまで学生なのだ。 いくらデュエリストという大義名分があろうとそう何度も何度も休んでいたら、留年決定。 というか普通にテストがヤバイ。 容姿のない現実に打ちひしがれていると、軽い調子の声が降ってくる。 顔を上げるとにこやかな笑みとともにグッとサムズアップした楓さんが映った。
「今日は修学旅行兼校外学習とかで、今日含めて二日間は休みなんです。 しかも、場所はこのドミノ町! いやー、運がいいですねー」
キラキラと表情を輝かせる楓さんとは対象的に戦慄の表情を浮かべた。
「……き、聞いてない、です」
「告知は前々からされてたんですが、場所が決まったのはつい先日だったので仕方ないかと。 あとあなた、ずっと上の空だったじゃないですかー」
「う、そういえばそんな気が……。 えっ、じゃあ今日はこのまま!?」
「えぇ、モチのロンで自由行動なんで。 いざ、海馬ランド!」
「わ、ちょっと! 引っ張らないで!?」
ぐいぐいと私の腕を掴み駆け出す楓さんに半ば引きつられつつついて行っていると、急に楓さんが立ち止まったことで止まり切れずにつんのめってしまい、楓さんの背中に激突してしまう。 ぶつけた額を摩りつつ、文句の一つでも言おうと彼女を見上げるといつものハツラツとした表情はどこへやら、鋭い視線で行く手を塞ぐ形で佇む二人の男性を注視していた。
「……どうやら、お楽しみはお預けですね」
楓さんの背中に隠れながら、目の前に立ち塞がる二人の男性を伺う。
「お前が、花村 華蓮……竜使いレンカだな」
あっさりと私のことを看破され、ヒヤヒヤとしているとより一層視線を鋭くした楓さんが訊ねる。
「ただのファンや追っかけではなさそうですが……名乗りとともに目的を答えなさい」
「ふむ、それもそうだな。 俺は岩丸」
「そして、俺が炎丸だ。 斎王琢磨様の妹君であらせられる斎王美寿知様の名により、お前にデュエルを挑ませてもらう!」
「っ! 斎王、ですって……!」
光の結社の教祖である斎王 琢磨の妹。 ギュッと心臓を掴まれたような驚きを覚えつつも、一歩前へと出る。
「楓さん……」
「えぇ、私も同意見です。 本来なら即刻お断りですが……たった今戦う理由が出来ました。 あなた達の目的は知りませんが、斎王についてあなた達が知っていること全て吐いてもらいましょうか」
「それこそ望むところ! 美寿知様から頂いた力の切れ味を受けるがいい!」
炎丸と名乗った男が啖呵を切る。 それを合図にデュエルディスクを装着し、構え睨み合う。
「ルールはフィールド・墓地、そしてライフ共有のタッグフォースルールだ!」
『決闘!』
[炎丸・岩丸]LP4000
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