第十五話 横須賀へ
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淀は長門以下が派遣艦隊と共に帰投してくる姿を見てほっと胸をなでおろした。
「おかえりなさい!」
「あぁ、すまなかったな。基地航空隊の手配を行ってくれて助かった。航空隊による掩護攻撃や増援艦隊の来援等が、すべてスムーズに進んだ。おかげで誰一人として轟沈せずにたどり着いたよ。」
「ドックのスタンバイ、できています。負傷した艦娘の方はすぐに入渠してください。無事な各艦隊は補給処に行ってください。燃料と弾薬その他、すでに用意してありますから。」
「ご苦労だった。手間をかけたな。」
「いえ、では私は司令部に戻っていますので。これで。」
一礼して背を向けて去っていく大淀を加賀が呼び止めた。
「あの、赤城さんたちは無事でしょうか?」
「はい。一足先に到着されました。皆さん無事ですよ!」
「そう・・・よかった。」
「では。」
大淀を見送った長門は各艦隊に指令を下した。
「派遣艦隊は真っ先に補給を行ってもらう。増援艦隊はその後だ。負傷した艦娘には手を貸して速やかにドックへ連れて行ってくれ。」
重傷者はいなかったが、何人か軽傷を負ったものがいる。紀伊も近江もその一人だった。彼女たちはビスマルク、金剛、そして駆けつけてきた増援艦隊とともに追撃艦隊と戦い、殿を務め、無事に相模湾海域からの離脱を完了させたのだ。
後に各鎮守府提督がこの時の戦闘経過報告を受け取ったが、それを総括すると――。
接触した重巡艦隊は航空戦と砲撃で殲滅され、艦隊は包囲網にあいたその穴から離脱できた。敵の主力艦隊が到着した時には既に派遣艦隊の影も形もなく、代わりに殺到した基地航空隊の波状攻撃を受け、戦艦ル級以下多数が撃沈、あるいは大破して撤退した、とのことだった。
こうして、派遣艦隊は横須賀鎮守府に到着し、いよいよ反抗作戦の次段階が始まることとなった。
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