二人っきり!?
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はずない。
「て、言うのは簡単だけどな」
一人小さく呟いて近くのレンガの花壇に腰掛け、彼女たちがこの無意味な時間に飽きるまで待つことにする。俺ならすぐに諦めるけど、さすがは乙女(一人違うけど)といったところか、恋ばなには目がない様子。しかし、そんな少女たちも一時間ほど経った頃、ようやく諦めたらしくその場に立ち上がった。
「行くか?」
「うん・・・」
「そうしましょ」
「む〜」
「二人ともリクエストボード見てるだけなんて・・・」
彼女たちが立ったのを見てから俺も立ち上がり、シェリアに並ぶように歩き始める。四人は二人がイチャイチャするのを相当見たかったらしく、かなり不機嫌になっていた。
「部屋にカメラでも隠しておけばよかったな」
冗談でそんなことを言ってみる。すると、シェリアたちがまるで名案を教えてもらったかのような笑顔になる。
「あたし、ちょっと用事w――――」
「思い出さなくていいからな」
家の方に駆けていこうとする天神の首元を掴み、ズルズルと引きずりながら街を出ていく。その際シャルル、セシリー、ラウルが順番に逃げていこうとするのを一人で対応しつつ、依頼主の元へと向かうために馬車へと乗り込んだのであった。
シリルside
「この依頼に決〜めた!!」
悩むこと数十分、ようやくウェンディがやりたい依頼を決めたらしく、リクエストボードから一枚紙を取る。その際彼女のなんと律儀なことか、張り付けている画鋲を外して取っている辺り、彼女の丁寧さが伺える。
「どんな依頼にしたの?」
「はい!!これだよ!!」
彼女から依頼書を渡され文に目を走らせる。その依頼書にはこう書いてあった。
【救出依頼
エンジン魔水晶が壊れ、立ち往生している船を助けてほしい】
「・・・いやいやちょっと待て」
依頼書を見てうなずいていたが、あることに気付いてしまった。
「立ち往生してるのに依頼書なんかで救出を待ってていいの!?」
船が進まなくなったなんて相当な問題だ。下手したら人命に関わることなのだから、評議院から直接連絡があってもいいんじゃないだろうか?
「今はまだ評議院が完全に機能してないから、依頼書で回すしかないんじゃないかな?」
「なるほど」
一人悩んでいるとウェンディにそう言われて納得する。普通なら直接救援要請が来るけど、今回は仕方なく依頼書で回ってきたってことか。
「場所もここから遠くないし、私とシリルにピッタリだと思うんだよね!!」
船が止まったなら海の上だろうし、それだと水の魔導士である俺と風を操るウェンディにはうってつけの仕事だろう。その辺も考
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