第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#20
戦慄の暗殺者Y 〜Don't leave you〜
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【1】
『邪 裂 爆 霊 傀 儡 殺ッッッッ!!!!』
何よりも邪悪な笑みをその耽美的な口唇に浮かべ、
白き存在の闘気を 迸 らせながら魔性のハンドベル
“ダンスパーティー” を手にした紅世の王 “狩人” フリアグネ。
その動作に連動して奏でられる鐘の音、
神聖なる音色はこの世の何よりも残虐な
破壊の大惨劇を学園の屋上で引き起こした。
ヴァッッッッグオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォ
ォォォォォォォォ――――――――――――――――ッッッッッッッ!!!!!!!
途轍もない破壊力の大爆裂音が屋上、否、学園全体に轟いた。
巻き起こった破壊衝撃波によりコンクリートの石版が捲れ上がって根刮ぎ吹き飛び、
更に周りを囲っていた青いフェンスが爆風に歪んで押し倒される。
その凄まじいまでの破壊惨劇の、中心部、
垂直ドーム状に激しく天空へと駆け昇っていく白い火柱の真柱部に、
“彼女” はいた。
そして、渦巻く白炎の嵐の只中でその躰を灼かれながら、
少女の瞳はもう輝きを無くしていた。
その精神活動すら完全に停止していた。
最早、己の躰を灼き焦がす苦悶すらもどうでもよかった。
“本当にどうでもよかった”
ただ一つの、残酷な「事実」だけが少女の裡を支配していた。
“終わった” と。
大爆裂の破壊衝撃波によってフリアグネが屹立する給水塔以外の全てが砕かれ、
蹂躙の限りを尽くされて瓦礫の海と化した残骸の水面に、
シャナは激しい落下音と共に着弾した。
その小さな躰が一度大きくバウンドし、反動で砕けたコンクリートの飛沫が巻き上がる。
もう、落下衝撃を分散する 「体術」 すらも使わなかった、使えなかった。
白炎の焦熱によりボロボロに焼けた黒衣と、その中の真新しいセーラー服、
裾が引き千切れたスカートと、ズタズタに引き裂かれたニーソックス。
戦意を完全に喪失し、まるで糸の切れた操り人形のような少女に、
巻き上がったコンクリートの飛沫と土砂が降り注ぎその身を汚していく。
そんな中、超高密度の双眸 “真・灼眼” がゆっくりと元の色彩に戻っていった。
しかし、最早その裡に燃えるような使命感も闘争心も存在せず、
無限の虚空がソコに在るだけだった。
全ての望みを跡形もなく砕き尽くされた 「絶望」 の表情と共に。
白磁のように清冽な素肌すらも、爆炎の高熱で灼き焦がされたその無惨なる姿は、
まるで折れたまま戦場に打ち捨てられ、永い風雪により錆びて朽ち果てた剣を想わせた。
もうコレ以上無
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