SIDE:A
第四話
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ちゃんお帰りーっ!」
「おう汐音か。ただいま」
勢いよく扉を開け放ちやってきたのは我が妹、うずまき汐音。キラキラと輝く星のエフェクトを幻視できそうなくらい満面の笑顔を浮かべている。
いつも笑顔で明るい妹ではあるが、ここまで上機嫌なのは珍しい。何かいいことでもあったのかな?
「どうした? やけにご機嫌じゃないか」
「うんっ! あんねあんねー! 今日汐音、キバくんたちとかけっこしてね、一番だったんだってばさ!」
輝かしい笑顔で「すごいでしょ、褒めて褒めて!」と言わんばかりに抱きついてくる汐音。可憐なその姿に目尻を下げた俺は頭を撫でてあげた。
キバというと犬塚家の長男で原作でも登場する少年だ。俺も何度か会ったことあるが、やっぱり活発な少年でありまさにガキ大将といった言葉が相応しい。
犬とともに戦う犬塚一族のキバは身体能力も高く同年代の中ではトップクラスに位置しているだろう。そのキバを下すとは流石は俺の妹だ。悔しがるキバが目に浮かぶぜ。
「すごいじゃないか。汐音も俺と同じで体を動かすのが得意だからな」
「お兄ちゃんも?」
「応さ。まだアカデミーには通ってないけど勉強は苦手な部類だな。体を動かすのは楽しいしな」
「じゃあじゃあ、今度汐音とかけっこしよ! キバくんにもかったんだから、お兄ちゃんにもかつってばさ!」
「ほう、いいぜ。兄ちゃんはちいとばかし手強いからな。そう簡単には勝てないぞー?」
「のぞむところだってばさー!」
にんぽー、てやー!
楽しそうにボディープレスを仕掛けてくる。キャッキャッとじゃれつく汐音の相手をしながら心の底から思った。
(ああ、幸せだなぁ)
平和っていいね、やっぱり。
(この先、起こりうる事件といったら確か……)
迫り来る未来と真っ向から対峙するために、万全の状態で望む。
この平和を維持できるようにこれからも頑張ろう、うん。
「ハルトー、汐音ー! ご飯出来たわよー」
「はーい!」
一階から母さんの声が聞こえてきた。
さて、今日も美味しい母の手料理を頂くかな!
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