SIDE:A
第四話
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る。肉親であるミナトたちと同等の家族として話しかけ、触れてくる。それは九喇嘛が今まで受けたことのない扱いであり、不思議だが悪くない居心地の良さを感じ始めていた。
あまりにも遠慮なく気軽な態度で接してくるため、時折九喇嘛が九尾の狐であることを忘れているのではないかと思うほどだ。
一番身近にいる主がそんな態度を取るものだから、ミナトとクシナもいつの間にか警戒を解いて同じく家族として扱い、汐音にいたっては物心がつく前から一緒にいたため、クーお姉ちゃんと呼び慕われている。主以外に名前を呼ばれるのを嫌う九喇嘛は何度もその名で呼ぶなと注意したが、一向に言うことを聞かないため、諦めたらしい。
本人は決して認めないが、九喇嘛が使い魔契約に応じた理由の半分がハルトに対する興味と好意だった。もう半分はただの気まぐれであるが、今はこの小さな主を見守りたいという気持ちも芽生え始めていた。
「くっそー、今後こそいけると思ったのになー」
「妾に土をつけさせるなぞあと百年早いな。ま、精進せい主よ」
ほっほっほっ、といつの間にか取り出した雅な扇子で口元を隠し、からかい半分の笑い声を上げた。
むすーっと頬を膨らませて不満を露にしていたハルトは嘆息して心を入れ替えた。
「んじゃあ帰ろっか」
「うむ」
ハルトの肩に手を置いたのを確認してから印を結ぶ。
「飛雷神の術」
† † †
一瞬で景色が変わり見慣れた自室へ戻った。マーキングを施した場所へ空間を越えて移動できるこの術は遠出などに重宝している。習得難易度S級の名に恥じない扱いの難しさで、覚えるのに三ヶ月を要したほどだ。しかも一瞬の判断が生死を分ける戦場において、咄嗟に目的の場所にマークした術式を感知し、そこへ移動しなければならない。とてもではないが現在の俺では脳の処理が追いつかず、実戦で活用するのは難しかったりする。落ち着いて術の行使に集中できる状況でないと使用できないからだ。
「時空間移動……移動術か。実戦で使える利便性の高いやつ覚えないとなぁ」
とはいえ、俺が知っている移動忍術は飛雷神の術だけ。瞬身の術は【術】とあるが明確にいえばチャクラで肉体を活性化させて高速移動する【技】に分類されるため、移動忍術ではないし……。
「父さんに聞いてみるか。……それとは別に一応設定だけでも作っておくかな」
そう言って体から【創造忍術ノート】を取り出そうとした時だった。
ダダダッっと廊下を走る音が聞こえてきて、部屋の前でピタリっと止まると。
「お兄
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