SIDE:A
第四話
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のような突風が吹きすさび、手裏剣があらぬ方向へ逸れ、吹き飛んでいく。強風に煽られて枝が揺れ、木の葉が舞った。
ハルトが立っていた場所には何もなく、見渡す限り彼の姿は見当たらない。
左右でもなく、上でもないとすれば――。
「下よなっ」
大きく飛び上がると扇子を閉じて虚空を数回薙ぐ。すると、かまいたちが発生した。それらを先ほどまで立っていた場所に向けて飛ばす。
「土遁 心中斬首の術――って危なっ!」
九喇嘛が立っていた地面からぼこっと腕が伸び、ハルトが現れた。そして、そんなハルトを出迎えるように上空からカマイタチが襲う。
「うおおぉぉぉぉおおおおお!?」
咄嗟に何千、何万と繰り返して体に覚えさせた瞬身の術でその場を離脱。ポッカリ開いた地面に大きな亀裂が走った。
再び両者の間に距離が開く。戦闘中であるにも関わらず苦情を呈するハルトを煽る九喇嘛。
「危なっ! 今のマジで危なっ! あとちょっと遅ければアウトだったし!」
「あのくらい主であれば避けれたでろう。ほれ、もう終わりか?」
「信頼の一種と受け取っていいのかなそれ……。まあいい、次いくぞ!」
チャクラを全身に廻らせたハルトは瞬身の術と見間違うばかりの速度で迫った。
震脚で地面を陥没させながら強く握り締めた拳を一直線に突き出す。"ボッ"と空気を穿つ音が鳴った。
まともに食らえば人化している九喇嘛も無傷とはいかない。
九喇嘛は半歩外へ踏み出し、拳を回避するとともに反転して開いた扇を一閃した。
鉄で出来ている扇の縁は鋭く磨かれており、刃物と同等の機能を有す。
自分の首を狙う凶刃。ハルトは体を沈ませて回転しながら左足を跳ね上げた。
「おっと」
下からの後ろ上段回し蹴り。軽く仰け反ることで直撃を避けるが、間髪いれずにもう片方の足も軌跡を追ってきた。
「我流体術 旋風!」
間をおかず続けて放たれた右の回し蹴り。鉄扇を脚のしたから滑らせるようにして捌こうとするが――。
「らぁッ!!」
「ぬ……っ」
九喇嘛の眉が一瞬跳ね上がる。
脚はびくともせず鉄扇もろとも九喇嘛を弾き飛ばしたのだ。
しかし、それでも咄嗟に地面を蹴って威力を逃したのは流石といったところ。
「相変わらずの馬鹿力よの」
空中で一回転してから優雅に着地する。その顔にはまだ余裕の表情が浮かんでいた。
服すら乱れていない九喇嘛を前に「その余裕、ぶち壊すっ!」と強く息巻いたハルトは印を組みながら風のように迫った。
「風遁 真空連波!
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