第34話
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こちらが帝国と共和国の裏事情を勝手に伝える訳にもいきません。」
「そしてボクも皇族とはいえ、帝国政府の方針に干渉はできない……そこで姫殿下の提案でキミたちを呼んだというわけさ。」
「……なるほど。つまり、ここでの話はあくまで非公式というわけですね?」
クローディア姫とオリビエの話を聞いたロイドは2人に確認した。
「ええ、共通の友人を持つ者同士のお茶の席でのちょっとしたお喋り……無論、そこで聞いた噂話をどなたにお伝えしようと自由です。」
「ふふっ、そういうことですか。」
「いやはや……思った以上に大胆っつーか。」
「フフ、優雅なお姫様の割になかなかのやり手みたいだね?」
「ちょ、ちょっとワジ君。いくら何でも失礼なんじゃ……」
「ふふっ、いいんです。クロスベルを取り巻く状況はますます混迷を深めている……少しでも見通しを良くするためには悪あがきをするしかありませんから。」
「ただでさえ、厄介な面々に情報をコントロールされているみたいだしねぇ。エステル君方面のコネくらいは活用させてもらわないと。」
「厄介な面々……?」
オリビエが呟いた言葉を聞いたロイドは仲間達と共に首を傾げた。
「……多分、ご存知だと思います。レクター・アランドール氏とキリカ・ロウラン女史の2人です。」
「……!」
「……なるほど。先程の情報が、クロスベル政府にほとんど伝わっていないのは……」
「多分、その2人の情報操作だろう。キリカ女史は、元々リベールで遊撃士協会の受付をしていた人物だが千里眼というべき慧眼の持ち主でね。そのくらいの情報操作ならば苦も無くやってのけるはずだ。」
「……なるほど。ギルドの方でも聞きましたが……」
「味方ならともかく、敵に回したら一番厄介なタイプだな……」
ユリアの話を聞いたロイドは疲れた表情になり、ランディは溜息を吐いた。
「そして―――レクター・アランドール。経歴不詳、出身も不明だが一つ明らかになっていることがある。それは『鉄血の子供達』と呼ばれるメンバーの一人だということだ。」
「て、鉄血の子供たち……?」
「また大層な呼び名だね。どうやら鉄血宰相と関係のあるメンバーみたいだけど?」
ミュラーの説明を聞いたノエルは戸惑い、ワジは溜息を吐いた後尋ねた。
「宰相殿が拾い上げたという子飼いの若者たちらしくてね。クセはあるが恐ろしく有能で様々な工作を行っているようだ。貴族派からは最大限に警戒されているみたいだね。」
「…………………」
オリビエの話を聞いたクローディア姫は黙り込み
「『鉄血の子供達』……」
「単なる情報将校以上に大変そうな相手みたいね……」
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