第34話
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わ。」
「……だろうな。」
「……宰相を暗殺できれば、クロスベルも手にいれられるまさに一石二鳥な策だな………」
オリビエの推測を聞いたノエルは信じられない表情をし、複雑そうな表情で呟いたエリィの言葉にランディは頷き、リィンは真剣な表情で言った。すると
「―――そして。実は同じような構図が共和国の方にもあるのです。」
「え……!」
「そ、そうなのですか!?」
クローディア姫が話を続け、ロイドとエリィは驚いた。
「ユリアさん、お願いします。」
「は。」
そしてクローディア姫に指示されたユリアがモニターを操作すると今度はロックスミス大統領の写真が画面に映った。
「カルバード共和国政府代表、サミュエル・ロックスミス大統領……」
「こっちのオジサンも恨みを抱えちゃってるとか?」
「いえ、彼がどうというよりはカルバードの歴史によるものです。西ゼムリアにあって、様々な文化を昔から取り入れてきたカルバードには非常に難しい問題があります。いわゆる『民族問題』です。」
「民族問題………」
「知っての通り、カルバードは昔から東方系の移民を受け入れてきた国だ。共和制に移行してからその流れは顕著になり、巨大な東方人街などが誕生することになったのだが……当然、そうした流れに対する反動というものがあり得るわけだ。」
「……反東方・移民政策主義ですね。そのような運動が存在するのは知識としては知っていましたが……」
「そうした民族主義者が大統領を狙っているんですか?」
ユリアの説明を聞いたエリィは疲れた表情で呟き、ロイドは尋ねた。
「ええ、やはり潤沢な資金源を持つスポンサーがいるらしく……最新の武装を供与された過激派が動いているという情報が入っています。」
「……………………」
「……そいつは厄介ッスね。」
「……―――お話はわかりました。ですが、どうしてこのような重大な話を自分達に……?」
「確かに、自治州政府に直接伝えた方がいいんじゃないの?」
クローディア姫の話を聞いたロイドとワジは尋ねた。するとクローディア姫達は黙り込んだ。
「……伝えたくても伝えられない事情がある。つまり、そういう事ですね?」
「え……」
その様子を見て尋ねたエリィの疑問を聞いたロイドは呆けた表情でエリィを見つめた。
「エリィ君の言う通りさ。オズボーン宰相にしてもロックスミス大統領にしても……当然、自分達を付け狙う勢力が動いているのは知っているはずだ。にも関わらず、クロスベル政府にその事実は全く伝えられていない。」
「……!」
「そこにどのような思惑があるのか現時点ではわかりませんが……ただ、そのような状況で
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