第34話
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スは重々しく頷き、エルファティシアは目を伏せて小声で呟き
「……話は聞いていましたけど相当、深刻な状況みたいですね。」
「まさかエレボニアがそこまで緊張状態になっていたなんて……」
「……シュバルツァー家が今もエレボニアの貴族のままだったら、私や父さん達も派閥争いに巻き込まれていたかもしれませんね……」
「…………………………」
「ふむ、察するところ、殿下は中立のお立場なのかな?」
エリィは溜息を吐いて呟き、リィンは驚きの表情で呟き、エリゼは目を伏せて静かな様子を纏って呟き、レーヴェは目を伏せて黙り込み、ワジは尋ねた。
「フフ、中立というより第3の道を行こうと思っている。ま、どちらの陣営からも胡散臭いコウモリに見られてしまう切ない立場なんだけどねぇ。」
「……まあ、否定はできんな。」
エリィの疑問に答えた後溜息を吐いたオリビエの言葉にミュラーは目を伏せて頷いた。
「し、しかし……両者の対立が、内戦直前まで行き着いているということは……まさか通商会議に関する『気になる情報』というのは!?」
「あ……」
「……なるほどね。」
「やはり宰相の敵対勢力か。」
「―――ヴァイス殿や君の懸念どおりだ。『貴族派』の有力者であるカイエン公の方で動きがあった。どうやら、この通商会議中、オズボーン宰相を担うテロリストをクロスベルに送り込むらしい。」
「…………っ!」
「その、刺客ではなくテロリストというのは……?」
(チキの情報通りね………………フフ、ますますやりやすくなったわ。)
ミュラーの説明を聞いたロイドは厳しい表情で唇を噛みしめ、エリィは尋ね、ルファディエルは不敵な笑みを浮かべていた。
「宰相殿は、貴族派以外からも激しい恨みを買っていてねぇ。国内外で弾圧された勢力がテロ組織を結成しているんだ。そんな連中を、貴族派が体よくミラを与えて利用しているわけさ。」
「そういうことか……」
「自分達の手は汚さずに政敵を葬ろうってワケだね。でも、そんな事になったらさすがに色々マズイんじゃない?」
オリビエの話を聞いたランディは目を細め、ワジは頷いた後ある事に気付いて呟き
「マズイどころじゃない!クロスベルにとって大問題だ!市長が開催した会議中に帝国の宰相が暗殺されたりしたらどんな賠償を要求されるか―――す、すみません……」
ワジの疑問にロイドは怒鳴った後オリビエに気付いて謝罪した。
「いや、その心配はもっともだ。暗殺を防げなかった代償として帝国からクロスベル自治州に莫大な賠償が突き付けられるだろう。たとえそれが帝国内での対立問題から起きたことでもね。」
「し、信じられない……」
「……非常なようだけどそれもまた外交の一側面だ
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