第34話
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エリゼは溜息を吐いた。
「ハッハッハッ!何だかボクとミュラーのいつものやり取りを見ているみたいだよ♪フム……エリゼ君と言ったね?何ならリフィア殿下からボクに乗り換えてみないかい!?ボクは君となら親しい関係……いや、それ以上の深い関係でも歓迎するよ!」
その様子を見ていたオリビエは笑った後酔いしれった表情でエリゼを見つめたその時
「い、い、加、減、黙、っ、て、ろ。」
「謹んでお断りします。これ以上苦労したくありませんし。」
「ハイ、スミマセンデシタ…………」
「エ、エリゼ……」
ミュラーに睨まれ、さらに威圧を纏った笑顔のエリゼに微笑まれ、身体を震わせながら肩を落とし、その様子を見ていたリィンは大量の冷や汗をかいていた。
「フフ………まあ、そんなわけでこちらは君達について一通り知っている状態だ。それを踏まえて幾つか君達に伝えたいことがあるんだが……」
オリビエ達の様子を口元に笑みを浮かべて見つめていたユリアは表情を戻してロイド達を見詰めて言った。
「―――はい。本題というわけですね。」
「何でも、通商会議に関する気になる情報をお持ちだとか?」
「はい……」
エリィに尋ねられたクローディア姫が頷いたその時、ユリアが立ち上がってモニターの画面を映した。
「あ……」
「エプスタイン財団製のシステムを使っているんですね?」
「ああ、この艦の情報処理システムは財団のものを導入しているからね。こちらを見て欲しい。」
そしてユリアがモニターの操作をするとオズボーン宰相の写真が映し出された。
「……エレボニア帝国宰相、ギリアス・オズボーン閣下ですね。」
「ま、”鉄血宰相”でいいさ。彼の人となりを知らない君達にここで悪口を言うつもりはない。ただ、一つだけ前提として知っていて欲しいことがあるんだ。――――現在、エレボニア帝国内でいつ内戦が起きてもおかしくない事を。」
「な……!」
「そ、そうなんですか!?」
オリビエの話を聞いたロイドとノエルは仲間達と共に驚いた後厳しい表情をした。
「残念ながら事実だ。具体的には、宰相を中心とする帝国に新たな中央集権体制を作り上げようとする『革新派』……そして有力貴族を中心とする、旧い貴族制度を維持し続けようとする『貴族派』……―――この2つによる対立が行きつくところまで行ってるのさ。」
「革新派と貴族派の対立……」
オリビエの話を聞いたロイドは呟き
(……昔を思い出しますね、ヴァイス。)
(ああ…………)
(魔導技術で国を豊かにすることを強調するエイフェリアと魔導を捨て、魔法で国を豊かにすることを強調したオルファンの対立ね……)
静かな表情のアルに小声で言われたヴァイ
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