第5話
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高原の景色に圧倒されたリィン達は呆け
「フッ、気に行ってくれたようで何よりだ。」
リィン達の様子を見たガイウスは口元に笑みを浮かべた。するとその時軍人達が馬を連れてきた。
「馬……もしかして。」
「そうか……馬で集落まで移動するのか。」
「ああ、高原での移動は馬がないと成り立たない。馬術部のユーシスはもちろん、リィンとアリサ、それにレンも乗れると聞いていたからな。」
リィンとユーシスの推測に頷いたガイウスは説明をしてリィン達を見回した。
「あ、うん。たぶん大丈夫だと思うわ。」
「俺も実家で乗っていたから大丈夫だ。……って、レンも乗馬経験はあるのか?」
アリサと共に乗馬経験がある事を肯定したリィンはある事が気になり、レンに訊ねた。
「ええ、勿論あるわよ。レンは何でもこなす”天才”なんだから、一回乗馬すれば十分よ。」
レンの自画自賛の答えを聞いたリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「ハハ……よし……さっそく乗らせてもらうか。」
そしてリィン達はそれぞれ馬に騎乗した。
「よーし、どうどう。」
「……いい馬だな。」
「ウフフ、いい子ね。」
「ホントに乗馬経験は一回しかないのかしら……?どう見てもかなりの経験者のように見えるわよ?」
騎乗したリィンとユーシスはそれぞれ馬を宥め、自分達のように長年の経験者のような様子で騎乗している様子のレンをアリサは疑惑の目で見つめていた。
「フフ……大丈夫そうだな。」
クラスメイト達の様子を見守っていたガイウスは安堵の表情で微笑んだ。
「いずれもノルドの集落で育てられた駿馬だ。1時間もかからずに集落までたどり着けるだろう。―――そうだ。地元のガイウスはともかく。お主たちにはこれを渡しておくとしよう。」
「え……」
ゼクス中将はリィン達にノルド高原の地図を渡した。
「わぁ……!」
「ずいぶん詳細でわかりやすい地図ね。」
「なるほど、軍の測量で作成した物というわけか。」
「うむ、実習の時に役立てるといいだろう。」
「……とても助かります。」
ゼクス中将の好意にリィン達はそれぞれありがたく受け取った。
「――さて、そろそろ出発するといい。風と女神の加護を。長老とラカン殿によろしくな。」
「はい。」
「わざわざのお見送り、ありがとうございました。」
「それでは失礼する。」
そしてリィン達はゼクス中将に別れを告げ、ノルド高原へ馬を走らせ始めた――――
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