第3章:再会、繋がる絆
第54話「これが私の運命」
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僕は踏み留まる。
だけど、司さんの負の感情はさらに膨れ上がっていく。
「私は!皆に...ずっと皆に迷惑ばかり....!」
「そ...は....!」
“それは違う”と否定しようにも、声が届かない。
くそ...!声さえも拒絶されてる...!
「これが...私の運命...結局、皆に迷惑を....。」
「司..さ.....!」
「だけど....。」
ふと、こちらに顔を向ける司さん。
手を差し伸べ、それを手に取ってくれるのかと、一瞬思うが...。
「...それだけは...皆に迷惑を掛ける事だけは....!」
「司..さん...?」
刹那、さらに押し戻す力が膨れ上がる。
「ぐっ...!?ぁああああ!!」
「.....せめて、迷惑を掛けずに....。」
離れて行く。そんな感覚に陥った僕は、リヒトを振い瘴気を少しでも祓おうとする。
そうして無理にでも近づき、一歩強く踏み出して手を伸ばす。
「っ.....司さん!!!」
「........!」
手が届きそうになり、司さんは虚ろなまま目を見開く。
届く!そう確信して、さらに手を伸ばして....。
「―――え....?」
司さんの姿が掻き消える。
代わりに握られたのは青い菱形の宝石...ジュエルシードだった。
『こうなるのが...私の運命...。だから...もう、来ないで。』
「っ、がっ...!?」
聞こえた司さんの声と共に、押し戻す力だけでなく、圧迫する力も発生する。
「(このままでは...押し潰される....!?)」
身体強化しているので、辛うじて耐えているが、このままでは体が持たない。
「(転移魔法...発動する暇がない!瘴気を切り拓く...?ダメだ!とてもじゃないけど切り拓く余裕はない!このまま耐える....?それこそ死に一直線だ!)」
万事休すか...そう思って力を抜きかけた瞬間、思い出す。
「っ、これ...だっ!!」
一際力が強くなった瞬間、ある物に魔力を通す。
「っ、がはっ...!」
「優輝!?」
後ろに吹き飛ばされながらも、脱出できた事を認識する。
横から驚いたような声...これは椿か...。
「(メタスタスがなければ、死んでいた...!)」
そう、あの瘴気の中で使ったのはメタスタス。
外から中に転移するのは無理だったが、中から外なら可能だった。
「優輝!どうなったの!?」
「...最悪だ...!拒絶の意思が強すぎる...!助け..出せなかった...!」
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