第三百四十九話
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第三百四十九話 家に帰って
美樹は学校から帰るとまずは家に戻った、寄り道はしないのが彼女だ。この辺りは実に真面目である。その時にだ。
ランドセルを自分の部屋に置いてだ、ビルガーとファルケンにこう言った。
「喉が渇いたから」
「ではジュースかお茶を飲まれますか」
「そうされますか」
「いえ、ここはね」
自分の使い魔達に意を決した顔で言う。
「牛乳を飲むわ」
「牛乳ですか」
「そちらをですか」
「ええ、そうするわ」
こうはっきりとだ、使い魔達に言うのだった。
「今はね」
「確かに我が家には牛乳は常にあります」
「ご家族の皆さんがお好きですから」
美樹の両親も弟もだ、使い魔達も美樹と共にいるのでこのことはよく知っている。もう家族と言っていい位の付き合いでもある。
「お茶やジュースはなくとも牛乳はあります」
「それはそうですが」
「ですが牛乳を飲まれますと」
「ご主人としては」
「もういいの」
微笑んでだ、美樹は使い魔達に答えた。
「そういうことは気にしないでね」
「そのうえで、ですか」
「飲まれますか」
「今日先生に言われた」
それでというのだ。
「そういうことを気にして食べなかったり飲まなかったりするのはよくないって」
「だからですか」
「そうされるのですか」
「牛乳を飲まれる」
「背が伸びることは気にしないで」
「そうするわ」
使い魔達にはっきりと答えた。
「これからはね」
「わかりました、では今から一階に行きましょう」
「そこで牛乳を飲みましょう」
使い魔達も主の言葉を受けて確かな声で答えた。
「いつも冷蔵庫の中にありますし」
「今から」
「そうしましょう、牛乳も美味しいしね」
笑みを浮かべてだ、美樹はこうしたことも言った。
「沢山飲むわ」
「そして飲まれですね」
「水分も栄養も補給されますか」
「あるものは無駄にしたらいけないし」
飲みものもというのだ。
「ちゃんと飲まないとね」
「そうですね、身体の為にも」
「そして食べもの飲みものを無駄に残さないことにもなりますし」
ビルガーとファルケンも言う、二羽も今は明るい顔で美樹に言っていた。二羽もこれまでとはうって変わって明るい顔になっている。
第差三百四十九話 完
2016・6・9
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