第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#19
戦慄の暗殺者X 〜Heat Capacity〜
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来より 「戦果」 とは、 「武力」 の大きさだけで決するモノではないのだよ」
そう俯いて、自嘲気味に微笑むフリアグネ。
「その事実。この私が教えて差し上げよう。
アノ御方の忠実なる 僕 !!
紅世の王! この “狩人” フリアグネがなッッ!!」
叫びながら長衣を翻し、鮮烈な声で宣告する白色の貴公子。
「だったらとっととそこから降りて来なさい!
ザコが何匹集まっても私には通用しないわ!」
叫ぶシャナにフリアグネは、
「イヤ、“その必要はない” 」
と静かに告げた。
「ッッ!?」
意外な応えに瞳を丸くするシャナに、次の瞬間、
フリアグネはその耽美的な美貌を何よりも邪悪に歪ませた。
まるで己が仕える主の 空身であるかのように。
「何故なら……君は……」
ゾッとするほど静かな声で、フリアグネは冷酷な微笑を浮かべつつシャナを見下ろす。
「もう! 私の能力でッ! “討滅されてしまっているのだからッッ!!”」
「!!」
そう叫んだフリアグネが、邪悪な表情のまま純白の長衣を素早く
弧を引いて撃ち放つと同時に、シャナの周囲で無造作に転がっていた
夥しい数の残骸が蠢き、ソレが次々と宙に浮かび上がり全方位から襲いかかってきた。
「――――――――――ッッッッ!?」
驚愕の事実にシャナの反応が一瞬遅れる。
ソレがもう、既にして致命的損失。
しかし、少女を責めるのは酷というモノであろう。
動く 「残骸」 の大群は、周囲360°全てから微塵の隙間もなくシャナに、
文字通り嵐のように降り注がれたのだから。
どんな強者も、降り落ちる雨の雫を全て避ける事など、絶対に不可能なのだから。
「な!?」
たったいま自分が斬り倒した、夥しい燐子の手が、足が、胴体が、そして首が、
シャナの黒衣を掴み、或いは接着し、更に首が裾に噛みついて全身を覆っていく。
「くぅッッ!! ナメるな!! こんなものォォォォォォォッッ!!」
体内の中心部に炎気を集め、一気に爆裂させてまとわりついた
残骸を吹き飛ばそうとシャナは全細胞の力を限界まで引き絞る。
しかし。
「え!?」
いきなり片膝の力が抜けて、コンクリートの上へコトリと落ちた。
自身の躰の、予期せぬ突然の造反にシャナの頭の中は一瞬蒼白となる。
そこに降り注ぐ “狩人” の声。
「フッ……! 当然だろう! お嬢さんッ!
ソレだけの 「力」 を回復もせず、セーブもせずに常時全開放して、
全力の攻撃を繰り出し続けていれば力尽きるのは当たり前さ!
熱に浮かされて自覚は無いようだがな!!」
フリアグネはそう叫び、既に勝ち誇った表情でシャナを見下ろす。
「だからッ! 次の私の攻撃を! 防ぐことも不可能だッッ!!」
再び
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