第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#19
戦慄の暗殺者X 〜Heat Capacity〜
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ぁぁ――――――――――――!!!!」
喊声と共に贄殿遮那の中央部が赤く発光し、
刀身から圧搾された炎塊が弾けて放射線状に変異、
その周囲全方位に向けて隈無く疾駆する。
張り詰めた鋼線のような灼熱の光が、上空の重力に縛られた回避不能の燐子達、
そのありとあらゆる箇所に着弾して全身を貫いた。
その一発一発の威力は低いが、
広範囲を一度に攻撃出来る炎の戦闘自在法。
光塵乱舞。閃華の赤裂。
『贄殿遮那・火足ノ太刀』
遣い手−空条 シャナ
破壊力−C スピード−C 射程距離−C(半径15メートル)
持続力−C 精密動作性−C 成長性−A
シャナの周囲、円周上にスクラップとジャンクの残骸が白い火花を伴って
五月雨のように舞い落ちる。
「……」
その様子を給水塔で立ち上がったフリアグネは両腕を組み、
純白の長衣とパールグレーの髪を封絶の放つ気流に靡かせながら
先刻とはまるで違う、引き締めた表情で戦況を見つめていた。
(強い……先刻の 「常用型」 の量産タイプとは違う、
“フレイムヘイズ討滅” を目的に創り上げた
この私秘蔵の強化型武装燐子達を、
こうもあっさりとはな……)
状況的に追い込まれたわけではないが、愛着の深い秘蔵のコレクション達が
その価値の解らない者に身も蓋もなくバラバラにされていくのを目の当たりにし、
偏 狂 人 形 師の誇りが著しく傷つけられる。
(流石はアラストール秘蔵のフレイムヘイズといった処か……
単純な戦闘能力だけなら “彼” を倒した 『星の白金』 以上、か……?)
フリアグネは様々な宝具の検分によって研ぎ澄まされた審理眼で
冷静に状況を分析しながらも、そこで初めて耽美的な美貌を翳らせた。
脳裏に甦る、一人の人間。
その瞬間引き締められた表情が自覚のないままに、
ふ、と切なげなモノへと変化する。
気流に消え去る声で、ただ一言大丈夫と呟いたフリアグネは、
再び見開いたパールグレーの双眸を尖らせると、
勇猛な闘いを繰り広げた少女を傲然と見下ろした。
「どうしたの? あまりの事に声も出ない?
おまえの大切な 『お人形達』 はもう半分以下になったわ。
何か自在法で援護をするなら今の内よ。
次の一合で全滅させるつもりだから」
紅い無明の双眸でシャナはフリアグネを捉え、
危うく揺れる微笑を浮かべる。
己の勝利を信じて疑わない、確乎たる意志を持って。
「勇猛果敢な事だね。お嬢さん。
確かに “戦闘能力だけなら” 君はこの私すらも凌ぐだろう」
「ハッ、まさか此の期に及んで命乞い? 聞く気はないけど」
「フッ、コトは君が想っているほど単純ではないという事さ。
古
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