第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#19
戦慄の暗殺者X 〜Heat Capacity〜
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イツにも……! アノ男にも……ッ! 誰にも……ッッ!!)
その少女の昂りへ呼応するかのように、全身から鳳凰の羽根吹雪の如く発せられた
紅蓮の火の粉が空間を灼き焦がす。
(今ならきっと……“アレ” が出来る……!
一度修得しようとして出来なかった “アレ” が……ッ!)
脳裏に浮かび上がる新たな炎刃の戦形を想い浮かべながら、
シャナは斬撃で開いた隙間より包囲網を抜け出した。
着地と同時に、革靴の裏がキュッと鳴る。
その前方から関節を軋ませつつ迫ってくる、
個々の力では太刀打ち出来ないと判断し人海戦術に撃って出た
武装燐子の大群に向けて少女は不敵な笑みを刻む。
「無駄よッ!」
凛々しく清廉な掛け声。
「はああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
大刀の腹を真横にして、中段に構えた刀身内部へ左手を 宛 って炎気を込め、
更に柄を握る右手からも波長の違う炎気を送り込む。
やがて贄殿遮那の内部にて波及効果を起こした炎気がその全体に拡散していき、
刀身が真紅の火の粉を振り撒きながらまるで烈火に焼べられた
溶鉄の如き形象に変わっていく。
「りゃああああああああああああああああッッッッ!!!!」
叫びと共に大きく振りかぶった焼紅の大刀を、勢いよく前方に撃ち出すシャナ。
その高速で振り抜かれた刀身から、具現化した紅い斬撃が追進して勢いよく飛び出した。
余波である直線状の火走りをコンクリートの上に噴き上がらせ、
高速射出された実体の在る斬撃の紅い牙が進撃してくる
武装燐子達を持っている武器ごと斜めに寸断し、
更にその背後の青いフェンスまでも突き破って彼方へと消える。
掌に集束した炎気の塊を贄殿遮那を通して増大させ、
カマイタチ状に変化させて射出するフレイムヘイズ専用 「斬撃術」
斬光裂閃。紅蓮の闘刃。
『贄殿遮那・炎妙ノ太刀』
遣い手−空条 シャナ
破壊力−B スピード−B 射程距離−B(最大30m。以降は全ての能力が著しく低下)
持続力−B 精密動作性−B 成長性−B
たったの一撃で、十数体の武装燐子を武器ごと斬り飛ばした少女を懼れた他の燐子達は、
すぐさまに動きを止めて左右に方向転換し始め、
遠距離攻撃を警戒してか今度は広域に散開して飛び上がり頭上から急襲した。
しかし、これまでの長い戦いで培われた状況判断力を有する少女は、
すぐさまにその事態へと対応する。
「馬鹿ねッ! それじゃあわざわざ自分で逃げ場を狭めたのと同じ事よ!」
そう叫んで両手に構えた大刀を、高々と頭上へ掲げた。
手の平から湧き上がる無数の火の粉を刀身内部に送り込みながら。
「やああああああああぁぁぁぁぁ
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