第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#19
戦慄の暗殺者X 〜Heat Capacity〜
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く言わないでッッ!! それと勝手に殺さないで!!」
“誰もいない空間から”、清廉な少女の声だけが木霊する。
そして。
その何もない空間にいきなり純白の長 衣がフワリと弧を翻らせて出現し、
中から人形姿のマリアンヌが姿を現した。
「私は無事よッ! 掠り傷一つ負ってない!
ご主人様が現在お持ちの最大 「宝具」 “ダンスパーティー” を発動なされた時には
“最優先で私を護るように” “ホワイトブレス” の中に自在法を編み込んで下されていたの!
この戦いが始まるよりも、もっとずっと 「前」 からね!!」
そう叫んで敏腕弁護士宛らに、最愛の主を擁護するマリアンヌ。
「それに大体今の 「爆発」 は “アナタを狙ったモノ” じゃないッ!
だからご主人様が私を巻き込んでアナタを「討滅」するなんてコト自体が
ありえないのよッ!」
目の前で愛狂しい表情を崩さないまま、
ヒステリックな口調で怒鳴り続ける人形。
「……」
彼女(?)の無事に承太郎は複雑な感情を抱きながらも疑問を投げかけた。
「今のが、オレを狙った 「遠隔能力」 じゃあねぇとするなら、一体何だってんだ?
もしかしてシャナのヤツが、もうオメーのご主人様をヤっちまったのか?」
「縁起でもない事言わないで!
今のはおそらく “炎髪灼眼” に向けて放った
ご主人様最大焔儀に対する単なる余波よッ!」
「何ッ!?」
心に走った衝撃により、頭蓋へのダメージで鈍っていた思考回路がようやく
その機能を回復し始める。
そうだ。
何故 「その事」 を考えなかった?
先程、マリアンヌに問いかけた疑問とは「逆」の事実を。
「!!」
その、あまりに強烈過ぎる存在感から思考の盲点になっていたのか?
いくら強力な戦闘能力をその身に宿していたとしても、
まだ年端もいかない 「少女」 である事には何ら変わりがないというのに。
「覚えておきなさい! 空条 承太郎ッ!
アナタなんか! アナタなんかッ!
私のご主人様には 「絶対」 に敵わないんだからァァァァァ―――――――ッッ!!」
涙ぐんだ声で強烈な捨て台詞を残しながら、
マリアンヌは中身が空になった“ホワイトブレス” を残し、
妖精のような白い燐光を靡かせて
割れた窓ガラスから外に飛び出し上へと消えていった。
大事な 「人質」 にまんまと逃げられてしまったが、
承太郎の思考はいま “そんな事” とはまるで別の方向、
否、正確には脳裏を駆け巡った衝撃により停止状態に陥っていた。
そして、耳障りなほどに激しく脈打つ心臓の鼓動と共に、一つの言葉が甦ってくる。
“フリアグネの必勝の秘密は彼の持っている「銃」にある ”
先刻の、花京院の言葉。
“
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