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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
外伝〜演奏家の捜索〜前篇
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その様子を見ていたロイドは苦笑し

「……ふう、ある意味助けられちゃったかな。」

「そ、そうだな。お蔭で戦わなくて済んだし。」

ワジは安堵の溜息を吐き、リィンは苦笑しながら頷いた。

「フ、フッ……魔都に咲かんとする争いの芽を摘んでしまった。愛と真心で平和をもたらす我がリュートの調べ……自分の才能がときどき恐ろしくなるよ。」

するとその時金髪の青年がフラフラしながらロイド達に近づいてきた。



「あ、あの………大丈夫ですか?さっきはなんだか鈍い音が聞こえましたけど。」

その様子を見たエリィはロイド達と共に脱力した後戸惑った様子で声をかけ

「フッ、心配はいらないよ、マドモアゼル。あの程度の高さなど、今まさに大陸の空を駆けんとするボクには恐るるに足らずさ。」

「意味がわからねえ……」

声をかけられて答えた青年の話を聞いたランディは溜息を吐いた。

「少しばかりトラブルに見舞われてしまったが……気を取り直して、続きを披露させていただくとしよう。フッ、存分に楽しんでくれたまえ。」

そして青年はリュートを出して演奏しようとしたが

「け、結構です!」

ロイドは慌てて制止した。

(ロ、ロイドさん。もしかしてこの人って……)

「(ああ、金髪に白いコート……ミュラーさんは厄介な人物だって言ってたけど……正直、予想以上だな。)……コホン、あなたは、オリビエさんで間違いありませんね?」

ノエルの言葉に頷いたロイドは真剣な表情で青年―――オリビエを見つめて尋ねた。

「フッ……いかにも。愛を求めて旅をする不世出の天才にして漂泊の演奏家、オリビエ・レンハイムだ。フッ、君達は運がいい。この天才のゲリラ・リサイタルに遭遇する事ができたのだからね。どうか今日という日をその心に刻み、一生の思い出としてくれたまえ。」

「……は、はあ。」

胸を張って言ったオリビエの説明を聞いたロイドは脱力して溜息を吐いた。

「アレッ、そういえば……なんでその名を知っているんだい?クロスベル入りしてから名乗った覚えはないつもりだったが。……どこかでお会いしたかな?」

一方オリビエは黙り込んでロイド達を見つめた後尋ね

「俺達はクロスベル警察、特務支援課の者です。ミュラーさんという方の依頼であなたを探していました。」

「お知り合いに間違いありませんか?」

「ほう、君達が噂の……フッ……ミュラーの心配性も相変わらずだな。この程度の時を別々に過ごしたところで、僕らの愛は薄れはしないのに。」

ロイドとエリィの話を聞いて酔いしれった様子で答え

「ええっ!そ、そんな関係なんですか………?」

「男性と男性が付き合うなんて、生産性に欠けますからやめておいた方がいい
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