外伝〜演奏家の捜索〜前篇
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…『オリビエ・レンハイム』。20代の金髪の男で、白いコートを羽織り、リュートを携えている。」
「ふむ、楽器を持ってるとなるとなかなか目立ちそうだね。探すのはそこまで難しくなさそうな気がするけど。」
「そうだよな。特にリュートなんて大きな楽器、持ち歩いていたら絶対に目立つしな。」
ミュラーの話を聞いたワジとリィンは言い
「ああ、それだけなら探して連れ帰るのにはさほど問題はないのだが……オリビエは、少々性格に問題があってな。頼んでもいないのに自ら面倒事に首を突っ込み、更なる面倒事にしてしまう。正直言って、厄介な人物と言ってしまっていいだろう。」
「は、はあ……」
「おいおい。今日は厄介な捜索人物の依頼ばっかだよなあ……」
「アハハ……確かに。」
ミュラーの話を聞いたエリィは戸惑い、ランディは疲れた表情で溜息を吐き、ランディの言葉にノエルは苦笑していた。
「演奏旅行に支障がないよう、速やかに探し出して欲しいが……まあ、そこまで高望みはすまい。せめて、悪目立ちする前にふん捕まえてくれると助かるが。」
「マ、マネージャーにしちゃ随分な物言いッスね。」
「と、とりあえずイメージはある程度つかめました。あとは、行きそうな場所に心当たりはないですか?」
「そうだな、強いていうなら……いかがわしい場所、あるいは賑やかな場所を好む傾向があるだろう。美食家ぶって、どこぞの食事処に居座っている可能性もあるが……」
「とにかくトラブルの火種がありそうな場所ってことですね。
「だとすると、旧市街や歓楽街、裏通り……そのあたりが考えられそうだね。」
ミュラーの説明を聞いたノエルとワジは呟いた。
「ああ、いい線だと言えるが……実は、歓楽街はすでに一通り探し終えていてな。探索範囲から外して構わないはずだ。おそらく俺が探しに来ると踏んでいかにもな場所は避けているのだろう。」
「な、なるほど……でも、賑やかな場所といったら今日は港湾区も入るかもしれませんね。確か、公演でみっしぃの出張イベントをやっているはずですし。」
「ふむ……まあ絞り込めそうなのはそんなところだろうか。すまない、もう少し大した情報を提供できればよかったのだが……」
「いえ、参考になりました。それでは、早速捜査に当たらせていただきます。」
「どうかよろしく頼む。連れてくるのに苦労するなら多少、痛い目にあわせても構わないからな。」
「りょ、了解しました……(ほんと、どんな関係なんだ?)」
そしてミュラーの助言を聞いたロイドは仲間達と共に冷や汗をかいて頷き
(な、なんだかさっきの光景―――エリゼさんとリフィア殿下のやり取りを思い出すわね……)
(た、確かに……)
(フフ、あんな変わった
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