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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
外伝〜演奏家の捜索〜前篇
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〜クロスベル駅〜



「…………………………」

サングラスをかけた黒服の大男は黙ってロイド達を見つめ

(おいロイド……なんだかすげえ雰囲気のヤツがいるみてえだが……)

大男を見たランディはロイドに耳打ちし

「フッ…………」

ヴァイスは静かな笑みを浮かべて何も語らず

「(もしかして、今回の依頼者って………)あの、すみません。特務支援課の者ですが…………」

耳打ちされたロイドは考え込んだ後大男に話しかけ

「……お待ちしていた。来てくれて感謝する。自分の名はミュラー……エレボニアで音楽マネージャーをしている者だ。短い間だがどうかお見知りおき願おう。」

話しかけられた大男―――ミュラーは口元に笑みを浮かべて名乗った。

「お、音楽マネージャー…………ですが。(全然そうは見えないけど……)」

ミュラーの自己紹介を聞いたロイドは疲れた表情で頷き

(どう見てもマネージャーには見えないよな?スーツで隠しているけど身体つきがいいし、あれは絶対何か武術をやっているよ………)

(どちらかというとSPって感じの雰囲気ですよね……)

(それに前にも似たような肩書きを聞いた事があるような……)

リィンとノエル、エリィは小声で相談し

(フッ……音楽マネージャーか。)

ヴァイスは口元に笑みを浮かべて呟き

(ヴァイス?)

(うふっ♪どうやら事情を知っていそうね♪それをあえて言わないって事は……ロイド達で遊ぶ気のようね♪)

ヴァイスの様子を見たアルは首を傾げ、エルファティシアは小悪魔な笑みを浮かべた。

「……どうかしたのかね?」

ロイド達の様子を見たミュラーは不思議そうな表情で尋ね、ミュラーに尋ねられたロイドは仲間達と共に焦りながら話を続けた。

「い、いえ……え、えっと……それでは依頼について詳しく説明をいただけますか?」

「確か『演奏家』が行方不明になったとかいう話だったね。察するに、あなたがマネジメントしている人なのかな?」

「ああ、その通り。自分達は、演奏旅行のためクロスベル入りしたのだが……少し目を離した隙に、その演奏家とはぐれてしまってな。勝手のわからない街で探すアテもなく、困っていたところだったんだ。」

ワジに尋ねられたミュラーは答え

「それは、確かに大変そうですね……クロスベル市は広いですし。」

ミュラーの答えにエリィは頷いた。

「ああ、それもあるが……厄介な問題もある。早速捜索を頼めるだろうか?」

「了解しました、お任せ下さい。それでは、捜索する『演奏家』について詳しくお聞かせ願えますか?」

ミュラーの確認に頷いたロイドはミュラーに言った。



「うむ、よかろう。演奏家の名は…
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