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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第2章『あたたかな手は』
第11話『死徒×戦士×魔法使い』
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まず間違いなくこっちが罪人扱いでしょうね」
「……っ」
それが、少なくともこの国でのルール。
全てが正論であり、考えなしに皆に迷惑を掛けようとしていたスィーラへの戒めの言葉は、きっとメイリアにとっても苦しいものだったのだろうという事は、その顔を見れば分かる。けれど、やっぱり心の底から納得は出来ない。
だからといって、彼らを助けたとしてその身寄りを探すことも出来ない。
「……これが私達にとってのデメリット。そして次がその奴隷の人達にとってのデメリット。いい?もし私達が今言った事を承知の上で助けたとして、あの人達はどうやって生きていくの?きっとジークだって、流石に四十人分を養うだけのお金は――」
「──お嬢さん方お嬢さん方、何かお困りかい?」
不意に、頭上から声が掛かった。
反射的に上空を仰ぎ見て、その声の主を探す。すると探すまでもなく、その声の主と思わしき人物のシルエットを建物の壁に認識する。――そう、
壁
(
・
)
に。
その男は、
壁
(
・
)
に
(
・
)
座
(
・
)
り
(
・
)
込
(
・
)
ん
(
・
)
で
(
・
)
い
(
・
)
た
(
・
)
。
二人の視線を一身に受けた男は、ニカッという音が相応しそうな笑みを浮かべて立ち上がってズボンに付着した埃を二人に掛からないように軽く払い、そのまま跳躍して2人の側に着地する。まるで重力を無視しているかのような光景に二人して目を丸くし、男はそれに気分を良くしたらしく、また愉快そうに笑った。
「おう、驚かせちまって悪いな。生憎とさっきまで寝てたもんで、お嬢さん方が来たことには今気づいたのさ」
「ね、寝てたって……あんな所で!?」
「ああ」
平然と肯定する男にメイリアが愕然とし、その様子を見た男が再び笑う。
燃えるような赤髪が印象に残るその男は、その片側だけが長い奇妙な白い外套を靡かせながら右腕を伸ばして見せる。壁に触れた右腕に意識を集中して男が軽く力を込めると、突如男の体が壁へと
落
(
・
)
ち
(
・
)
た
(
・
)
。
すぐさま体勢を立て直した男は綺麗に着地し、壁に立ってみせる。
「こんな具合に、俺は随分と特殊体質らしくてね。これでもちょこっと有名なもんで、人目に付かない
所
(
裏路地の壁
)
でゆっくり休暇を取ってたワケだ。で、さっきの事だよ。何かお困りかい?多少は力になれると思うぜ」
男は自身の胸に手を当てて快活に笑う。おどおどと混乱していたスィーラもやっと落ち着きを取り戻し、少し遠慮しつつもゆっくりとその白い指を裏路地を抜けた先に見える馬車に向ける。
男はその指先を追って馬車を見つけると、顎に手を当てて目を細めた。
「んー、奴隷商か。……ああ成る程、察したぜ。お嬢さん方の様子から見るに、あの奴隷達を助けたい……と」
「……この
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