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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第2章『あたたかな手は』
第11話『死徒×戦士×魔法使い』
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しないでもないが気にしない。
ヴァリアゾードやこの村を含む大国ヴァリアでは、主にヴェリオ通貨と呼ばれる通貨が使用される。
価値の低い順に相場で言うならば、鉄貨が十ヴェリオ、大鉄貨百ヴェリオ、銅貨五百ヴェリオ、大銅貨千ヴェリオ、銀貨二千五百ヴェリオ、大銀貨五千ヴェリオ、金貨一万ヴェリオ、大金貨五万ヴェリオ、聖金貨十万ヴェリオとなる。
銅貨が二枚もあれば、三人分の飲み物程度なら足りるだろう。
軽く料金を渡してある事を店員に話して、店を出る。元よりテラスのような屋外の席に座っていたので常に外なのは変わらないが、なんとなしに小さく伸びをする。
「……さて、っと」
背に掛けた剣の感触を確かめる。全身の魔力の巡りも良好。肉体も特に不調はない。
あそこまで大々的に反逆行為をしてしまった以上、もう『
対魔傭兵
(
リ・メイカー
)
』の名も名乗れないだろう。資金はあるとはいえ、ある程度稼ぎ場所は確保しなければならない。
しかし一箇所に留まることも出来ず、ジークはこれといって商売が出来るわけでもない。となると、まあその先は限られている。
「……仕方ない、行くか」
『
対魔傭兵
(
リ・メイカー
)
』とは別個の超大規模傭兵軍団。
個人依頼解決冒険者育成機関『ギルド』、その支部となる施設へと、ジークは歩みを進める事にした。
◇ ◇ ◇
「……ぇ、ぃぁ……」
「ん、どしたのスィーラ?」
スィーラの呼び声と思わしき掠れ声に振り返ったメイリアが、その紅い瞳を彼女へと向ける。視線を受けたスィーラはその真っ白な手を上げて、先ほどからずっと視界の先に映っていたソレを指差す。
村の端に位置するその水田の向こうには数台の馬車が荷台を繋いだまま停められており、数人の男達が見張りをしている。恐らくは馬を休ませているのだろうが、全員が御者にしては数が多い。普通に考えれば荷台に乗り込んでいるだけだろうが、全員が腰に鞭らしきモノを付けている様子から見るとどうやらそうでもないらしいと把握する。
『だとすれば、アレは何か』という疑問が、スィーラの思考には生じていた。
「……あぁ、アレね。関わらない方がいいわ、奴隷商よ」
「……ぉ、……ぇぃ?」
メイリアの放った言葉の意味を知らないのか、スィーラが首を傾げて言葉を繰り返す。メイリアもその掠れ切った声の意味を汲み取ったのか、人差し指でこめかみを掻いて困ったように吐息を漏らした。その後に何かを迷うかのように考え込むと、多少声のボリュームを落として呟く。
「そ、奴隷。人としての権利も認めてもらえない、ただ働かされるだけ働かされて、酷い扱いを受けて、要らなくなったら捨てられる……身寄りのない子とかを攫った
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