第5話 忘れていたクライシスコア
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かった。
その鍛錬場から離れた鉄心の自室にて、士郎の護衛としてついてきたシーマと部屋主が将棋をしていた。
「・・・・・・お主ルール覚えたてなのに、何でそんなに強いんじゃ?」
「生前の事は微かにしか覚えていないが、何度も戦場で大将を務め事がある気がするのだ。故に、このような遊戯版の戦術遊戯、容易に事を運ばせられるわ」
まだ向かい合って5分も経過していないにも拘らず、既に鉄心は二回も黒星を喰らっていた。
因みに鉄心はシーマの正体も聞いている。
何の英霊かも不明だとも聞いているが、目を見れば大抵(基本男のみ)如何いう性分か見極められるので、編入についても即時了承したのだ。
そんな鉄心だが、負けているとはいえ楽しそうである。
最近将棋していた相手は、色んな意味で痛いトコを付いて来る雷画ばかりだったので、凄く楽しそうだった。
「待った!」
「またか・・・。仕方ないなぁ」
こうして何度も待ったを許してくれているのだ。
その上で既に二回も負けている鉄心もある意味凄いが・・・。
その2人を置いといて、話を士郎と百代へと移す。
今日の組手を終えた士郎だったが、何故か動きが鈍かった。
「・・・・・・・・・」
「如何した?」
「川神学園の方から、剣呑な空気を感じないか?」
「ん?・・・・・・確かに、そんな気配だが・・・じゃあ、如何するんだ?」
「・・・・・・・・・」
百代の質問に士郎は押し黙る。
何故その程度で士郎は学園に戻るのを忌避しているかと言うと、単なる経験則からくる危機感知である。もっと簡単に言えば嫌な予感がするのだ。今行けば確実に酷い目に遭うと。
割りと真剣に如何するか決めかねている士郎に対して、百代は清水寺の舞台から飛び降りるというよりも、国会議事堂に突貫する気持ちで恥ずかしげな気持ちに整理をして口に出す。
「な、なぁ、士郎・・・」
「ん?」
「その、なんだったら、この前言ってた膝枕を――――」
「まさか、して欲しいのか?」
士郎の言葉に顔を真っ赤にさせながら恥ずかしそうに頷く武神。
「今、行き、たく、無いなら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いい・・・か?」
「まぁ、時間を少し潰さなきゃならないからな。いいぞ」
即座に縁側で正座する士郎は、自分の膝を叩いて何時でもバッチ来い体勢となる。
それを未だに顔を真っ赤にさせながら、失礼すると小声で断ってから自分の側頭部を士郎の膝枕へと預けた。
「〜〜〜〜〜〜ッッッ」
お世辞を言っても士郎の膝は只固いだけだ。
しかし何かしらの効果でも働いているのか、百代はこれまで頭を預けたどの枕よりも病みつきになりそうな感覚に襲われた。
更には
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