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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
異常者
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あった部屋だ。その周り角を曲がろうとしたその時。

「あっ!!」
「……ん?」

 突如、人影が見えてぶつかりそうになった。

 ……曲がり角でばったり出会うなんて、……まるで、何か学園系のシチュエーション?所謂、恋愛のような展開? ここから先は甘酸っぱいワールドが展開。


 血なまぐさい戦いが終わって、恋愛物の物語が始まる―――――。



「って、なわけあるか!」

 悠奈は、ぶつかる寸前で、無理矢理身体を捻りつつ接触をしないようにした。……が、バランスを崩し転倒しかけてしまったが、倒れる事は無かった。

「――っと。……何をそんなに急いでいるんだ? 悠奈」

 悠奈の手を掴み、倒れる前に引っ張り支えたからだ。

 そう、曲がり角で出会った人影。……この男こそ、刀真。悠奈が懸命に探していた男だった。

「何って!? 本気で言ってんの!?? 突然アンタがいなくなってたから、探しに来たんじゃない!」

 悠奈は、掴んでくれた手を、思いっきり引き寄せて 顔を刀真に近づけつつ至近距離で睨みつけた。
 興奮している悠奈とまるで正反対なのが刀真だ。軽くため息をしつつ悠奈を見た。

「……少しは落ち着け。……確かに、黙って出て行ったのは謝る。軽率だった、と言えるだろう。……だが、オレは 行動を縛るような契約をお前と交わした覚えも無いんだぞ。……オレにはオレの目的があると言っただろう?」
「ッ! そ、それはそうだけど……」
「それに、本気で、お前たちの元から出て行くのなら。それ(・・)を置いて出て行くわけ無いだろ」

 刀真は悠奈が持っているものを指差しそう言う。

 悠奈が手に持っているのは、上着。……目の前の彼が寝ている彼女にかけてあげた服だ。

 そして、その服は服に似合わず、重量感があった。

「あ……」
「お前たちがオレをどう思っているのかは知らん。……が、オレでも武装はする。銃を残したまま出て行くのは愚の骨頂だ」
「ま、まあそうね」

 悠奈は納得しつつそう返した。

 だが、思わず顔を赤くさせてしまいそうになっていた。なぜなら、無意識に彼の服を握ったまま飛び出てしまったからだ。まるで、大事にしているように。

 刀真はそんな事はまるで知らないと言わんばかりに、服を受け取ると腕を通し、羽織る。

 深い意味も無いようでただ休めるようにと気遣ってくれただけらしい。
 つまり、ムードもへったくれもない、と言う事。と言うか、期待する方が馬鹿を見ると言うものだ。

「と、とにかく! こっちはこっちで大変なのよ! アンタはいなくなるし、他にも!」
「……成程、オレが出て行った後、か。詳しく訊こう」

 刀真は悠奈に説明を受けて、状況を理解した。
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