暁 〜小説投稿サイト〜
シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
異常者
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カジノの側のスピーカーから、一気にどよめきが巻き起こっていた。
「っ!?」
流石に戸惑いを隠せなかった。二度目は無い、とついさっき頭の中で戒めていたのだが、それでも嘲笑うかの様に、覚悟が掻き消えたのだ。
だが、いつまでも出ないわけにはいかない。
相手はプレイヤーであり、質問であれば応答する事は周知させてあるのだから。ゲームの範囲内であれば答える義務はあるのだから。
「はい。なんでしょうか」
限りなく動揺を押し殺し、冷静を装って対応をした。
……出来たであろうと判断した。
時刻は6:30。
この中央管理施設に現れた者がいたのだった。
そして場面は再び変わる。
遡る事数分前の事。
悠奈は、フィールドのエリアを駆け巡っていた。
少しずつ、捜索範囲を削りつつ、残してきた2人と1時間以内で合流できるように範囲を考えていた。
それだけの判断は出来るが……、決して冷静だとはいえないのだ。
「何で……こうなるのよ。あの時だって……、あの時だって……、英吾さんが……」
それは、考えたくないのに……頭の中を過ぎってしまう過去の記憶。……過去の悪夢である。
悠奈にとっては、忘れたい程苦しく、そして 決して忘れてはならない記憶。だが、直ぐに考えるのをやめて、走りながら頬を二度、三度と叩いた。
「だめ……、こんな時こそ冷静にならなきゃ。……絶対に探し当てる。そして、問い詰めてやらなきゃならないんだから」
思考を乱すわけにはいかない。
確かに探さなければならないのは事実だが、周囲への気が散漫になるのはもっと危険だ。まだ見ぬ危険なプレイヤーの存在が、拍車をかけるから。だから、悠奈は 改めて集中しつつ、考える。
「後、まだ、見てなくて、……短時間に行ける場所。………あそこ!」
悠奈は、PDAを操作しつつ、頭の中でルートを描いた。
僅かの時間で行ける場所であり、……人がいる可能性もある場所。
そして、その場所へは直ぐに到着した。
「中央、管理施設……」
悠奈は小さく呟く。
大きな建物であり、探すとなれば時間も要する為、後にしていたが もう後は此処しか調べられない。
修平達と合流してから、他の場所を探せばいいのだから。悠奈は、もう既に見えている管理施設を目指して走り出した。移動の最中も痕跡を探しているが、無意味だと直ぐにやめていた。彼の様な目を持っているわけでもないし、彼が残すようにも思えないのだから。
入り口の扉を音を殺しつつ開け、足音もなるべく殺しながら早足で奥へと向かった。
そして、もう数m先の角を曲がった先が、例の説明会が
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