暁 〜小説投稿サイト〜
シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
異常者
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か?
悉く組織の刺客を打ち破っているとは言え、大規模な部隊を投入するれば、或いは彼をしとめられるかもしれない。
だが……、それはあくまでしなかった。なぜなら、観客の1人、また1人が、彼のファン……虜になってしまっていたからだ。その為、大規模な事はせずに、生きる彼を活かす様にしたのだ。
……或いは高難易度のPDAを与える。
……或いはプレイヤー全員がリピーターであり、軍隊上がりの戦闘のエキスパート達だけで行ったり。
様々な方法で彼を篩いにかけた。
その結果は……、想像を遥かに超えていた。
「ふふふ……彼ならば、我々の知らないゲームを見せてくれるだろうと思えたのだよ。何を隠そう、私も彼のファンでね。……今回の他のプレイヤーも一癖も二癖もある連中だ。……いよいよもって、楽しみだ」
喜々と語るその声にゲームマスターである男は戸惑っていた。
立場・権限共に自分より遥かに高い為、上司と言っていい存在だ。だが、その声がするのは極端に少なく、これほどまで話をするのも珍しいのだから。
「は! これからのゲームの行く末を存分にお楽しみ下さい。彼は例外としても、ゲームが動けば彼も動かずにはいられない。……即ち我々、いや、私の指し手の力量次第で、盛り上がるかどうかは決まります」
「ふむ。確かにそれはあるな……。今回は特別なものだ。だから通常には存在しないカードを切ったのだから。期待しているぞ?」
そう言うと、男の声は途絶えた。
どうやら、向こうが交信を切ったようだった。
「ふぅ……。」
男はため息を1つ吐き、コントロールパネルに向きつつも椅子に深く座り込んで楽な姿勢をとっていた。滅多に話さない相手だからこそ、余計な神経を使ってしまったのだろうと分析は出来る。
「アイツを見失ったのは、俺のミス……とは違うか。……過去、誰一人として御しきれなかったのだから、………存在そのものがイレギュラーな男だ。あまり、気にしないでおこうか」
そう言うと、男は再びモニターに目を向けた。
どうやら、他のプレイヤーにも動きがあったようだ。あの男が消え、そして2人が消え……もう1人も姿をくらませた。周りは騒然となってしまっている。
その上、別のプレイヤーが近づいてきているのだから。
「ここからが、混沌……。盛り上がるところか?」
軽く舌なめずりをし、今後の展開を予想しつつ、誘導方法を模索している時だった。
『オレの声が―――聞こえているかい? ……運営さん。』
また、突然だった。
先ほどの上司の声同様に。1つ、違うのは 声の出所である。
声が……聞こえてきたのは、島の監視カメラの集音マイクからである。
その声が聞こえた瞬間、
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