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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第55話 女の戦い
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子生徒を………。確か、つくね…だっけ?)
モカへの対抗心を燃やすのは、くるむである。つくねがカイトに対抗心を向けている強さのゆうに10倍はあろう情念を燃やしつつ、今後の対策を練っている時だった。
「やっぱりモカさんって美人だよね〜。うんうん。女の私から見ても凄いわ。性格もとってもいいの! この間だってねぇ、クラスの仕事、手伝ってくれたし」
「そうよね! 私も同じ! でも、モカの彼氏ってあのコなのかな? ん〜、そう言えば確か、カイト君とも仲良くしてる感じだったし……現時点じゃ判んないよね」
「うわっ! そうなの?? うー、ずっるーーい! カイト君もけっこういい男だよね?? チラッとしか見てないけど! クラスの中じゃ、ダントツって感じ?」
通りすがりの女子生徒同士の会話が、くるむの頭の中にダイレクトで入ってきた。
いつもなら、考え込んでいる最中だから、スルーしそうな程の大きさの会話なのだが……、彼女にとっての重要キーワードが多すぎる事によって、耳にどころか、頭の中に直接入ってきた気分だ。
「なっ……ななっ……!!」
くるむは、その会話を聞いたその次の瞬間。
「なんですってぇぇぇぇぇぇぇ!!」
烈火の如く、叫び声をあげた。
当然ながら、いきなりの大声に、周りにいた生徒達の視線が一気にくるむへと集中するが、まるで気にする様子はない。
「(さ、さっきのコだけじゃなく、カイト君も!! もう……、もうっ!!)」
くるむは、盛大に眼前にある大き目の石に、足で思い切り踏みつけると。
「赤夜萌香!! ゆっ…ゆるせなーーーーい!! ぜぇーーったい泣かしてやるんだからぁぁ!!」
そう叫びながらつくねの後を追っていったのだった。
高らかに宣言をした後、暫く経っての事。
最初の勢いとは反比例して、息を殺しつつ尾行。周囲に人がいなくなったのを確認するとくるむは行動開始。
入念に? 立てた計画・作戦通りに事を遂行し、見事つくねに
魅惑眼
(
チャーム
)
の術を仕掛ける事に成功したのだった。
「(やっふふ〜♪ 上手くいったっ♪ やーっぱり
彼
(
・
)
が特別なだけ、なんだね? うんうん、私の術! ちゃんと使えてる!)」
魅惑眼
(
チャーム
)
に掛かった男は、例外なく瞳の色が変化する。表情も虚ろになり、一点しか考えられなくなるのだ。……つまり、くるむの事しか考えられない様になる、と言う事だ。
「(わぁ………、とても……綺麗な瞳……。 あ…れ…? このコに、オレ…抱きつきたく……、なってきた……)」
つくねは、意志も行動も、全く逆らう事が出来ず、くるむの身体を、ぎゅーっと抱きしめた。
「キャーーー♪ 何するの〜♪」
くるむは、口では 否定しそうな言葉
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