SIDE:A
第三話
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いた。
「ははっ、泣いちゃった……。とまあ、こういうことで夢が未来を暗示しているんじゃないかって感じたから、ずっと昔から修行してきたんだ」
「なるほどのぅ。摩訶不思議な話じゃが、しかしそれならばお主が歳のわりに成熟しているのも理解できる。恐らくは夢の中でその者の生を体験したことで精神的にも成長したのじゃろう」
「だと思う。俺自身子供っぽくないかなって感じてから、今まで少しだけ子供っぽく振舞っていたんだ」
「そうだったのか……。たとえ子供っぽくなくても、ハルトは僕たちの子だよ」
「そうよ。あなたに何があろうと私たちの大切な家族に変わりはないんだから。変に気を使わないでいいのよ」
馬鹿ね、と諭すように言う二人。改めて器の大きい人たちなんだなと感じた。
人間は異物に対し敏感で排他的である。他の子供たちと違い明らかに大人染みた思考を持つ我が子を気味悪く思う人が多いだろう。
しかしこの二人はハルトの異常性を知った上で、それまでと変わらない態度で接してくれる。それがどんなに凄いことなのか、前世の記憶があるハルトはひしひしと感じていた。
「ありがとう。父さん、母さん」
ギュッと二人に強く抱き締めてから離れる。
にぱっと明るい笑顔を浮かべながら説明の続きに移った。
「えーっと、あとは俺の術のことだよね」
「あっ! そうだった! あの瞳術はなんなの? あんな瞳術見たことないってばね!」
「クシナ、口癖口癖。ところで瞳術ってなんのことだい?」
首を傾げるミナト。解析眼の存在を知っているのは治療を受けていたクシナのみだから、その疑問も当然のことだろう。ヒルゼンも興味深そうに見ていた。
印を結んで再び解析眼を発動させる。瞳の中心に蒼い六芒星と細かな記号のような文字が浮かぶ。うちは一族の『写輪眼』や日向一族の『白眼』とも違う特殊な目に、ミナトたちは驚愕の表情を浮かべた。
「ハルト、その目は一体……」
「ふむ、儂も始めて見る瞳術じゃな」
【教授】の異名を持つヒルゼンは忍術などに深い造詣を持ち【忍の神】とまで言われた人物だ。そのヒルゼンでさえ知らない瞳術。興味が湧かないわけがない。
「この眼だけじゃなくて、母さんを治療した術やクーちゃんと契約を結んだ術にも言えることなんだけどね。なんでかは分からないんだけど、実は俺……忍術を作ることができるみたいなんだ」
「……? どういうことだい。忍術の開発ってことかな?」
「いや、そうじゃなくて、もっと根本的な意味。細かな設定を作る必要はあるけど、多分忍術に分類できるものなら何でも作れるんじゃないかな。血継限界だっけ?
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