第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#18
戦慄の暗殺者W 〜Marionette in the Mirror〜
[3/21]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に引っ張られたかのように高速で動き、
鋼鉄の鋲が無数に撃ち込まれたスタンドのブラスナックルを包み込んで
衝撃を吸収し、打拳の動きを停止させた。
再び火花が、互いの空間で宙を舞う。
そしてその火花の飛沫すらマリアンヌの肌に触れる瞬間、
長 衣が大きく扇状に拡がって全て吸収した。
(何ッ!?)
今度は承太郎が、スタープラチナと同時に双眸を見開く。
マリアンヌは、別段何の動作も行っていない。
防御や回避の 「初動」 は、その躰のどこにも視られなかった。
一度エリザベスに、全身を微動だにせず強烈な一撃を放つ
帯術の「極意」を見せてもらった事があるが、
ソレは曾祖母のような達人クラスの「領域」に成って初めて使う事が出来る絶技だ。
防御の基本も出来ていない目の前の少女に
とてもそんな 「能力」 があるとは想えない。
(能力……?)
脳裡に閃きが走った承太郎は、純白の衣が絡みついたスタンドの拳を
強引に引き剥がし、スタープラチナを自分の傍まで引き戻した。
「テメーの、その長 衣の 「能力」……
どうやら “透明になる” だけじゃあねぇな。
相手の攻撃に反応して 「自動的」 にテメーの躰を防御しやがるわけか」
鋭い視線で承太郎はマリアンヌの躰を包む純白の長 衣
紅世の宝具を指差す。
「御明察の通りよ。フフフフ。ご主人様が攻撃強化の他に
様々な「防御系」自在法をこの長 衣に編み込んで下されたのよ。
他にも色々とね。この “ホワイトブレス” は、様々な自在法を編み込んで
溜めておく事の出来る、いわば超軽量のタンクのようなモノ。
そして編み込む自在法によって、その性質や属性を変化させる事の出来る「宝具」よ」
そう言ってマリアンヌは一度言葉を切り、
その長く麗しいパールグレーの髪を秀麗な仕草でかきあげる。
「ソレによって、攻撃・防御の二つを “同時に行う事” が出来る。
だから私は安心して攻撃だけに専念することが出来るというわけよ」
そう言ってマリアンヌは再びその純白の長 衣を鷹揚に構え直すと、
「さぁ!! この “ホワイトブレス” をさっきみたいに
封殺出来るというのならどうぞやってごらんなさいッッ!!」
挑発的な笑みを口元に浮かべてそう叫び、足下のリノリウムを踏み切って
真正面から堂々と承太郎の射程圏内へと飛び込む。
「ハアァァァァァッッ!!」
「オラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァァァ!!!!」
一直線に突っ込んできたマリアンヌの細い腕から撃ち出された直突の一撃を
スタープラチナは紙一重で躱すと、その華奢な躰に向けて音速の多重連撃を一斉射出する。
「フフフ……
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ