第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#18
戦慄の暗殺者W 〜Marionette in the Mirror〜
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造なされた 「宝具」 が恐ろしかったの?」
純絹のように艶やかな肩口を向けながら、マリアンヌは横目で彼を見た。
「相手の能力も解らずに懐へ飛び込むバカはいねーぜ」
承太郎はその挑発を意に介さず、細い紫煙を口唇の隙間から吹く。
「テメーはオレの 「能力」 を知ってるが、オレはテメーの 「能力」 を知らねーんでな。
でもまぁ良い。今ので大体の事ァ解ったぜ。
オレのスタンドとの 「相性」 は、それほど悪くはねぇようだ」
「その憶測が果たして正しいのか、試してみるのねッ!」
「上等だッ! 来なッッ!!」
承太郎は半ばまで灰になった煙草を吹き、
マリアンヌに向け研ぎ澄まされた集中力で念じたスタンドを繰り出した。
まるでカタパルトで射出されたように超高速で自分へと迫るスタープラチナに、
「はあぁぁぁッッ!!」
マリアンヌは踏み込んだ床にミュールの軸足を反転させ、
発生した遠心力を宿した煌めく左廻しの一閃をスタンドの側頭部に向けて撃ち出す。
「オッッッラァァァッッ!!」
けたたましい猛りと共に足下のリノリウムを爆砕して踏み込んだスタープラチナは、
白金の燐光で覆われた豪腕で己に迫る閃撃を廻し受けで素早く弾き飛ばす。
白金と純白の火花がバチッ! と互いの中間距離で爆ぜた。
(キレはあるが定石通りの動き……「競技」ならともかくな……ッッ!!)
承太郎は眼前の状況を一切見落とすことなく更にスタンドを念じ、
その精神に呼応したスタープラチナはすぐさまに足下の床を蹴り砕いて
マリアンヌの懐へと飛び込む。
「!!」
その無駄のない、あまりの踏み込みの速さにマリアンヌは
パールグレーの双眸を見開く。
まるでその存在自体が巨大なプレッシャーのような、
途轍もない威圧感を放つスタンドの両眼が超至近距離でマリアンヌを傲然と眇める。
(「攻撃」 はともかく 「防御」 がなってねぇよ!
生身のタイマンじゃあ急所に一発喰っても
怯まず前に出てくる男もいるんだぜ!
無抵抗の人間ばっか相手にしてやがる紅世の徒には想像もつかねぇだろうがなッ!)
心中でそう叫ぶと、
「オッッッラァァァァッッ!!」
回避の予備動作は疎かガードすら上げていないマリアンヌ、
その無防備なる 「水月」 にスタープラチナは瞬速のボディーブローを撃ち放った。
(眠れッッ!!)
元々長い時間を掛ける気など毛頭なかった承太郎の、
渾身の覇気を乗せた一撃。
しかし、意外。
ソレが目標箇所に命中する瞬間、
マリアンヌは先刻と変わらぬ清らの微笑を口唇に浮かべた。
その微笑みに呼応するように、純白の長 衣が
突如何かの 「引力」
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