11部分:第十話
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」
「そうみたいね」
五人を見下ろしてそう言葉を返した。
「五人で一つの力なのね。わかったわ」
「五人で一つ?」
「そうよ。それがわかったから今日はもういいわ」
そう言って箒を出しそれに跨った。
「待って、何処へ行く気なの」
「今日のところはこれでね。引き分けってとこで」
「逃げるつもり?」
「いえ」
華奈子に答えた。
「仕切りなおしってとこかしら。校旗はもういいわ」
「もういいの」
「そうよ。そのかわり今度は」
くすりと笑った。
「別のものを賭けたいわ。それか決闘か」
「決闘」
「私と貴女達のどっちが凄いかね。どう、受ける?」
「受けない筈がないでしょ」
「華奈子ちゃん」
「やい紫の魔女」
「何かしら」
「あたしはね、売られた喧嘩は絶対に買う主義なのよ。それはわかってるでしょうね」
「ええ」
魔女は頷いた。
「じゃあこれからも宜しくね。私も負けたくはないから」
「それはこっちの台詞よ。絶対に負けないからね」
「わかったわ。それじゃ皆」
魔女は箒を進めさせながら言う。
「また会いましょう。次は負けないわよ」
「こっちこそ!」
華奈子の言葉が夜の学校に響いた。紫の魔女はその声を聴きながら満月の中に消えていくのであった。
第十話 完
2005・6・4
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