105部分:第百四話
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第百四話
第百四話 サンドイッチ
頂上に着いた。美樹は早速弁当箱を開けた。するとそこから豪華なサンドイッチが姿を現わしたのであった。
「うわあ」
「どう、凄いでしょ」
彼女は信也に顔を向けて言った。
「苦労したんだから」
「凄いサンドイッチだね」
見ればトマトにレタス、卵、カツ、ソーセージにハンバーグ。その他にも色々と入っていた。とにかく豪勢なサンドイッチであった。
「挟めるもの全部挟んだんだから」
「こんなに食べきれるかなあ」
「食べきれなかったら持って帰ればいいじゃない」
美樹はニコリと笑って言った。
「それも考えてあるんだから」
「凄いね、お姉ちゃん」
彼はそれを聞いてもう嬉しさで一杯だった。
「こんなサンドイッチ作れるなんて」
「誉めるのはまず食べてからにしてね」
美樹はにこりと笑ってこう述べる。
「味が一番大事なんだから」
「うん、それじゃあ」
信也はそれに従いサンドイッチを手に取った。ソーセージサンドである。まずはそれから食べてみることにした。
口に入れる。それから噛んで口の中に入れる。美樹はその間信也をじっと見ていた。
「どうかしら」
「美味しいよ」
彼はにこりと笑ったまま言った。
「味付けもいいね」
「そう、よかったわ」
それを聞いた美樹の顔もほころんだ。
「そう言ってもらえるとね、頑張ったかいがあったわ」
「皆でどんどん食べようよ」
「勿論。ファルケンにビルガーもどうかしら」
「僕達もいいの?」
「勿論よ。それじゃあいただきましょう」
「うん」
二羽の使い魔達もそれに加わった。二人と二羽で楽しく食事を続ける。それが終わった時であった。
「!?」
急に雲行きが怪しくなってきたのである。
「まさか」
「やっぱりね」
ファルケンとビルガーはそれを見て納得した様に頷いた。
「思った通りだ」
「やっぱり雨が降りそうだね」
「勘がいいわね、相変わらず」
「それはね」
「伊達に使い魔やってないって」
二人は真剣な顔で美樹にこう返す。
「とにかく早いうちに帰った方がいいよ」
「そうね」
「帰ろう、お姉ちゃん」
一行はすぐに帰路に着いた。だがそうは問屋が卸さなかった。
第百四話 完
2006・4・4
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