第五話〜目覚めの風〜
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ちゃんも緊張している。それもそうか、自分の心が読まれるかもしれないというのは、いい思いじゃないだろう。改めて罪悪感を感じつつ、僕は蒼星石ちゃんに向けて念を込めた。いや、込めた、というより呼びかけた。
(声を聞かせて、、、。)
「、、、、、、、、、」
しかし、何も感じない。やはり僕の勝手な思い込みだったのだろか。少し間をおいてもう一度試す。そして気づいた。ほんの少しの感覚。サラサラと流れるそれはまるで。
「川?風?」
「どうしました?何か聞こえたんですか?」
「何か、音が聞こえた、、、。」
そして、、、、。
ーーー風、止んだねーーー
聞こえた。はっきりと。
「き、聞こえた!」
「「え??」」
「本当です??」
「僕の心、聞かれたのかな。」
「あ、いや、蒼星石ちゃんの声じゃないよ。」
たぶんあれは植物達の声。風が止んだことを話してたようだ。
「風が止んだらしいよ。まだ話してる。」
もう一度意識を集中する。再び流れるような感覚。
ーーー今日来たあの娘たちさーー
ーーーうん、可愛い娘ーーーーー
ーーーシオン様のお友達だねーー
「君たちのこと話してる。可愛いってさ。」
「もののわかるヤツらです!」
店頭へ向かった。確かに風は止んでいて、僕はネットを外し双子達の元に戻った。
「しっかし、どうしてですかね?」
「原因に心当たりはないのですか?」
「うーん、君たちローゼンメイデンと出会ってからという事ぐらいだね。それ以前には全く聞こえなかったし。」
たぶん水銀燈と出会った後ぐらいから?でもあの子に何かされたわけじゃない。
「、、、蒼星石、翠星石はいまとっても良い考えを思いついたです。」
「僕もだよ翠星石。」
「え?なんだい二人共。」
双子独特のシンクロだろうか、同じような思考が二人の中にあるらしい。その中身を翠星石が説明した。
「あのですねーーーーーー」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「それはなぁに?雛苺。」
「うゆ?」
雛苺はクレヨンをとめる。その先の画用紙の絵は、一目見ただけでは何が描かれているか判断できない。様々な色が混じり合い独特の世界を作り出している。
「これはね!真紅なの!」
そう言って赤にまみれたものを指差す。言われて見ればそう見えてきた。
「それでね、こっちがジュンでしょ。これは翠星石と蒼星石。それにね、水銀燈も金糸雀もヒナも巴ものりも皆いるのー!」
この鮮やかな画用紙の全容が見えてきた。真ん中のは大きな丸。そこに小さな丸がたくさんある。
「分かった。パーティね?みんなで楽しくパーティしてるんでしょ?」
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