第五話〜目覚めの風〜
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月曜日、その日最後の授業は歴史。体がまだ休みモードの中でこの教科を受けさせるのは自分たち生徒を寝かせようとしているとしか思えない。クラス中がそう感じているだろうが、そこで寝てしまっては成績も下がってしまうので皆、頭を上下させて必死に眠気と戦っている。桜田ジュンもまた、戦っていた。しかし理性が本能に勝つことも難しい。ジュンはいつしか夢の世界へと向かってしまった。
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「ここは?」
辺りは一面黒い空間。マイスターローゼンになってからは毎日のようにここへ来ているので最初は戸惑ったものの、見回してようやく自分の状況を理解した。
「あー、寝ちゃったのか僕、、。」
自分の失態に俯く。まぁnのフィールドにいるということがわかればいつでも抜け出せるけど。
とりあえず早く目を覚まそうと思ったその時。
「トリヴァル??」
聞き覚えのある声が耳をつんざいた。思わず両手で耳を塞ぐ。
「ぐっ、、、その声は。」
「いやはや、お久しぶりでございますな。お坊っちゃん。いえ、もうお坊っちゃんなどではございませんな。マイスターローゼン殿。それにしても早々に帰ろうとするとは、いかがなもので。」
「ラプラスの魔、、、。」
アリスゲームの時は謎めいた発言をしていたが結果的に正しい道へと行くことが多かったな。アリスゲームが終わった今もこいつの正体はわからない。
「で?何の用だよ?」
「少し、お知らせというか、なんと言うか。伝えておきたいことがありましてね。」
「伝えたいこと?」
「ええ、ええ。その通りで。もっとも、助けになるかはあなた次第ですがね。」
「、、、、。」
考えたところでどうせ答えは無い。ラプラスはそういう奴だ。ただ、僕だけに話すことということは良くも悪くも僕に必要な情報であることは確かだ。
「わかった。話してくれ。」
「おや?素直ですね?いつもは哀しいほど冷たいのに。」
「早くしてくれ僕は勉強したいんだ。」
話があるならさっさとしてほしい。いちいち回りくどいのだこいつは。
「そうですね、貴方はこの世界で言う学校の生徒。生徒とは、徒らに生きる者。そして私はラプラスの魔、面白可笑しい白兎。どうです?一度私とトリックな時間を、、、。」
「おい、怒るぞ。」
「まぁ、熱くならずに。何かを得るには何かを犠牲にしなくてはいけないのです。」
「僕は時間を犠牲にしてる。」
「とことんですな、貴方も。以前よりずいぶん眩しくなられた。眩しいといえば、、、。光には必ず影があるもの。」
「?」
なんだ?もしかして、話始まってる?
「それは貴方にも言えること。貴方の後ろに影はあるのですよ。」
「影?何
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