第三十二話 あちこち回ってその十
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「かかってたんですよ」
「そんなに?」
「もう番組自体が普通の特撮の二倍」
「二倍・・・・・・」
「しかも前半山でばかり撮影していましたよね」
「ええ」
それが物凄い特徴的でした。
「それでいちいち関東から山に移動して撮影ですから」
「時間かかったでしょうね」
「それも問題になったんですよ」
お金と時間の問題は何処でもあるみたいです。
「その結果番組制作自体が滅茶苦茶になりまして」
「そこまでいったのね」
「それで何とか一年で終わらせる為に方針転換を図ろうとしたら」
「どうなったの?」
「そのプロデューサーさんが頑強に反対しまして」
またここでトラブルが起こったみたいです。
「で、止むを得なく更迭しまして」
「左遷ってことね」
「で、後半ああなったわけです」
「そうした経緯があったの」
話を聞き終えても唖然とするものがありました。つまりそのプロデューサーさんがあまりにも我を通してそういうふうになったみたいです。
「我を張り過ぎるのはよくないわよ」
「先輩もそう思われますよね」
「やっぱりね。時間とお金なんて」
お化け屋敷の中は本当にあまり怖くはありませんでした。それどころか可愛い感じです。私はこういうことに抵抗がないせいでもありますけれど。
「無限じゃないから」
「そもそもそのプロデューサーさんが全部仕切ってたんですよ」
「監督じゃなくて?」
「監督はあくまで現場ですよ」
どうやらそうみたいです。ドラマとかは全部監督さんがやると思ってたんですけれど。
「で、脚本家とか演出とかそれぞれスタッフがいるんですけれど」
「ひょっとしてその全部の仕事をしてたの?」
「そうなんですよ。脚本は訂正入れまくって細かいところまで全部入れてしかも現場にはしょっちゅう出て来て」
どうやらかなり働いてる人だったみたいです。けれどそれがいいようにはならなくて。
「で、あれこれ言って俳優さんの演技も細かいところまで決めて」
「プロデューサーさんってそういうお仕事なの?」
「いいえ」
私の言葉には首を横に振りました。
「そこまでしないですよ。あくまで統括ですから」
「けれどそこまであれこれされてたのね」
「で、そうなったわけで」
「更迭ね」
「他人のお仕事にまで口出ししたら駄目ですよね」
「そうよね」
ここで私はおみちの中でそれはどういった状況になるかふと考えました。やっぱり教会で生まれ育っていますからどうしてもそうなってしまいます。
「それにしても」
「何ですか?」
「おみちだとあれ?こどもおぢばがえりで」
天理教での夏の最大のイベントです。もうここぞとばかりに子供さん達がおぢばに帰ってあちこちに設けられたテーマパークで遊びます。教会長さん達が引率です。
「予算を無茶
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