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レインボークラウン
第三百四十八話

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               第三百四十八話  可愛さとは
 先生は美樹に今度はこう話した。
「背が高いと可愛く思われないって言ったわね」
「はい、どうしても」
「それも違うのよ」
「そうなんですか」
「奇麗さや可愛さは外からよりもね」
 むしろとだ、先生は美樹に話した。
「内面からよ」
「そこから出るものですか」
「そう、中から出るから」
「内面っていうと性格ですよね」
「ええ、そうよ」 
 頭がいいといってもまだ小学生で知らないことも多い美樹にだ、先生はわかりやすい様に慎重に話していった。
「性格からなのよ」
「そうしたものは出るんですね」
「そうなの」
「そうだったんですか」
「だから可愛くなりたいと思ったら」
「背の高さ低さじゃなくて」
「お顔からでもないの、そうしたものも確かに関係するけれど」 
 それでもというのだ。
「まずは性格よ」
「性格ですか」
「少なくとも心がそういうことを気にしていたら」
「可愛くないですか」
「先生はそう思うわ」
「そうしたものなんですね」
「だから性格を大事にして」 
 外見よりもというのだ。
「先生が言いたいのはそのことよ」
「じゃあ私は」
「何でも食べてね」
「性格をですね」
「よくしていってね」
「可愛くなりたいのなら」
「そうした性格になってね」
 これが先生の言葉だった。
「しかもその可愛さはね」
「可愛さもですか」
「誰にも迷惑かけないで」
 先生はさらに話した。
「優しいね」
「そうしたですか」
「可愛さを持ってね」
「性格を」
「そうしてね、いいわね」
「わかりました」
 美樹はここでこれまで以上に強く頷いた。
 そしてだ、こう先生に言った。
「そうしていきます」
「お願いね」 
 先生はその美樹の言葉と心を笑顔から受け止めた、こうして美樹の迷いを取り去ってそのうえで導くのだった。


第三百四十八話   完


                        2016・6・5
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