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オズのボタン=ブライト
第八幕その九
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「それじゃあ」
「そうね、実際にね」
「そうなるよね」
「ええ、アメリカ人もオズの国のことを知ってくれる様になったわ」
 そうなったのはボームさんをはじめとした王室年代記の記録者の人達のお陰です、オズの国から聞いたことを本として皆に紹介したからです。
「そのことも含めてね」
「アメリカはもう一つのオズの国だね」
「そう言っていいわ」
「確かにそうかも知れないですね」
 ジョージもザッハトルテを食べつつ頷きました、アメリカ人として。
「オズの国のことは最初に伝わる国ですし」
「というかオズの国の本はね」
 ナターシャが言いますに。この娘もザッハトルテを食べています。
「アメリカ人が一番読んでるでしょ」
「僕達全部読んでいないよ」
 神宝はこのことを残念がるのでした、やっぱりザッハトルテを食べながら。
「ボームさんが書いてくれた本以外はね」
「そうなのよね」 
 恵梨香もザッハトルテを食べつつ残念そうにしています。
「私達読めないから」
「アメリカから世界に伝わるから」
 カルロスもザッハトルテの甘さを楽しみながら残念なお顔になっています。
「本当にアメリカはもう一つのオズの国だよね」
「最近はね」
 また言ったオズマでした。
「オズの国への扉が色々な国にもあるけれど」
「日本とかね」
 ボタンも言います。
「あるけれど」
「それでも一番多いのはオズの国で」
「僕も時々行くよ」
 アメリカにというのです。
「というか起きてアメリカに来ているんだ」
「扉の傍にだね」
「前と一緒でね」
 八条学園にいた時と、というのです。
「その時とね」
「そうだよね、ただ」
「ただ?」
「ボタンにしても他の人にしてもオズの国から極端には出ないよね」
「オズの国の外にはだね」
「扉の近くだけでね」
 出ているにしてもです。
「そこからは行かないよね」
「そうだよね」
「それはオズの国の人だからよ」 
 オズマがカルロスに答えました、他の四人の子達にもです。
「オズの国に自然と戻るの」
「そうした風になっているんですね」
「そうよ、オズの国に一時出られても」
「自然と戻る様にですね」
「オズの国に導かれるの」
「それじゃあオズの国に意志があるんですか?」
 カルロスはここでこのことに気付きました。
「それでオズの国の人達を引き寄せるんですか」
「ええ、オズの国にも意志があるの」
「やっぱりそうですか」
「それで皆を引き寄せているのよ」
「そういうことですか」
「ええ、オズの国はね」
「だからボタンも」
「そして皆もね」 
 五人共というのです。
「オズの国に住んでいないけrど」
「オズの国の人になっているんですね、僕達も」
「だからよくこの国に来るの」

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