暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはA's 〜そして笑顔で〜
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蒔風がリィンフォースの襟を両手で掴み、顔を下に向けて叫んだ。


「祝福の風リィンフォース。お前は確かに皆の幸せにつながったさ。でも・・・でもよ・・・・・」

蒔風が一層強く握りしめ、吐き捨てるように言った。

「あんたの幸せは・・・・その風は誰が運んできてくれんだよ!!!これじゃ・・・・あまりにもひどいだろうが・・・・・なんかないのかよ・・・・お前だからわかる抜け穴とかが!!」

「残念ですが・・・・・」

「祝福の風の末路がこれじゃ・・・・一体何が救われるってんだよ・・・・・」

「大丈夫ですよ」

リィンフォースが蒔風に声をかける。
握った拳を解き、蒔風が顔を上げる。

そしてリィンフォースの顔を見た。
その顔には一切の後悔や未練はなかった。

むしろ、それは幸福なものだった。
そして蒔風は知った。

「お前の幸せは・・・・・」

「ええ・・・我が主が、しっかりとこの胸に与えてくれました。私はもう十分に幸せです。今までの悲痛な記憶がまるでなかったかのように、私の記憶と心は幸せに満ちています」


「これ以上何を望みましょう。主が生き、その周りには愛しの騎士たちとかけがえのない友、そして最高の理解者がいるのです」


「一体何を思い残すことがありましょう・・・・後はただ・・・・主が私のいない現実を・・・・どうか強く受け止めて、先の未来へと進んでくれることを願うばかりです」

「リィンフォース・・・・・・」

「そしてどうかあなたにも祝福を。貴方の先にも、祝福があらんことを」

リィンフォースが両手を組んで祈る。
その願いは確かに蒔風の翼に届いた。


「お願い・・・・・します」

「・・・・・・ッ・・・・・ああ・・・・・わかった・・・・・・」



魔法陣が展開される。
その中心に蒔風が立ち、手をかざす。
リィンフォースはしゃがみ、頭を下げた。
その姿はまるで、救いを求めて祈る信者と、それを赦す神父のようであった。


雪が降り始める。


「始めよう」

蒔風の背に翼が開翼され、リィンフォースの身体が輝く。
そこに、大きな声が響き渡った。


「リィンフォースーーーーーー!!!!!!」

「主・・・・はやて・・・・・」

「・・・・・・・・・」


蒔風の背後、リィンフォースには蒔風越しに正面になる。

そこにはやてがやってきた。
後からはヴォルケンリッターとなのは、フェイトもいる。

「な・・・なにやってん?さ、みんなで家に帰ってあったかいスープでも飲もう?な?」

はやてがおそるおそる切り出す。
たぶん、今この状況が何をしているのかが分かっているのだろう。
だが、それは信じたくなかった
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